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「再々逮捕も時間の問題か」押尾学事件の闇人脈と奪われた銀座ホステスの夢
俳優の押尾学に、変死した銀座ホステスの田中香織さんに合成麻薬MDMAを譲渡した疑いで逮捕状が出た。また、押尾にMDMAを譲渡したとして、同容疑でネット販売業者の男と証拠隠滅容疑で元マネジャーに逮捕状が出たというニュースを見たとき、正直、ホッとした。
8月2日、押尾が下着通販会社「ピーチ・ジョン」の野口美佳社長から借りていた六本木ヒルズレジデンスの一室で、銀座ホステスの田中さんが、合成麻薬を飲んで変死。"銀座歴"が長い筆者には、親しい週刊誌記者や夕刊紙記者から「死んだ女性は銀座のホステスで"アゲハ"という源氏名なんですが、どこの店か知りませんか?」と電話がかかってきた。ホステスの本名は田中香織さん。銀座8丁目のビルに入っている高級クラブ「J」のホステスだった。この店の幹部は20年以上の知り合いで、オープンしてから一度顔を出したことがあった。そんな縁で、幹部に連絡したところ、偶然、田中さんをスカウトしたのが、その幹部だったことがわかった。
幹部は「田中さんの勤務態度はマジメで、『将来、ママになる』と張りきっていた。郷里の幼馴染の女性が、別れた内縁の夫の子どもを産んで、生活に困ってるのを見かねて、自宅に同居させ、『私が父親代わりになって育てる』と言っていたんです。押尾みたいな、いい加減な男に騙されるわけがない。ましてや、クスリなんかに手を出しませんよ」と言い切った。
田中さんは、飛騨高山のさらに山奥から上京。六本木、新宿のキャバクラに勤め、銀座に辿り着いた。最近ではよくあるホステスのパターンだ。しかし、将来、銀座で店を持ち、ママになるという夢を持ったホステスは減少している。夢を持たなくなったホステスの中で、田中さんはママになってひと旗揚げ、田舎の両親を東京に呼びたいという夢を持っていたという。
筆者は、その夢を奪った押尾が許せず、取材を開始した。事件には、というより、押尾の周囲にはさまざまな人脈が錯綜していることに驚いた。そういった連中が、自己保身のために権力を行使して、麻布署に圧力をかけたという情報が頻繁に流れた。押尾が麻薬使用の罪のみで東京地検に起訴され、8月31日に保釈されたときには、麻布署の捜査は打ち切りかと思われた。そのため、クラブの幹部に押尾を民事提訴することを提案した。しかし、その後、麻布署から警視庁捜査一課が引き継いで、地道な捜査を始めた。
4カ月前に捜査に協力していたクラブ関係者を通じて、捜査員が「押尾はいつでも逮捕できる。証拠隠滅などで他に2人逮捕する」と言っているとの情報を聞いて、再び取材への闘志がわいた。しかし、待てど暮らせど、押尾の逮捕はない。それをいいことに、押尾のスポンサーの一人であるパチンコ・パチスロ機器大手「フィールズ」の山本英俊会長は、彼と押尾の関係を暴いてきた一部マスコミに「押尾とは親密な関係でない」という臆面もない内容証明を送ってきた。部屋を自由に押尾に使わせていた野口社長は事件以来沈黙を守っていたが、最近になって自身のブログを再開。彼女もまた、社会的責任を感じるどころか、"被害者"であるような態度を取ったためネット上で大きな反発を招いた(記事参照)。
12月4日にやっと、田中さんへ麻薬を譲渡したとして、警視庁は押尾の逮捕状を請求。押尾は「クスリは田中さんに勧められて飲んだ」と供述していたが、警察は押尾が勧めて飲ませたことで田中さんが急死したと断定したのだ。さらに、保釈後、押尾は捜査一課の任意の事情聴取に、田中さんの心臓が止まってから約35分、恐怖のあまり、あちこちに電話を掛けまくっていたことを認めている。保護者責任遺棄致死罪で再々逮捕されるのも、時間の問題だ。事件の真相解明とともに、押尾の周囲をうごめいていた魑魅魍魎たちの責任までも問われることを期待したい。
(文=本多圭)
どんな春がくるというのか。
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