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成海璃子、大女優へとむくむく成長! 17歳の笑顔が眩しい『書道ガールズ』

shodogirls01.jpg愛媛での合宿ロケで結束を固めた書道ガールズ。右から『おっぱいバレー』の小島藤子、『サマーウォーズ』の桜庭ななみ、『武士道シックスティーン』の成海璃子、『ねこタクシー』の公開が控える山下リオ、舞台『ピーターパン』の8代目ピーターパン・高畑充希。『クローズZEROII』の金子ノブアキが書道部の顧問役。(c)NTV

 リコピンは孤高の女優だ。いや、リコピンは馴れ馴れしいか。女優・成海璃子はいつもひとりぼっちだ。17歳にして、すでに芸歴は12年。ADならずとも成海璃子さん、とさん付けしたくなる大物感が漂う。小学生と思えない大人びた美少女ぶりで話題となった初主演ドラマ『瑠璃の島』(05年、日本テレビ系)をはじめ、成海璃子はいつも大人の俳優たちの中で、コドクな少女を演じてきた。絶対音感を持つピアニストを演じた『神童』(07)ほか、近寄りがたい天才少女役が多い。剣道を題材にした『武士道シックスティーン』(現在公開中)でも、他の女子高生たちとキャッキャッと戯れることを良しとしない、現代の”女・宮本武蔵”を演じた。天才はいつもひとりぼっちなもの。そんなイメージのある成海璃子だが、『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』では今までとはちょっぴり違う自然な表情を見せている。

 『書道ガールズ!!』は、『サマーウォーズ』(09)の桜庭ななみ、『魔法遣いに大切なこと』(08)の山下リオら同世代の若手女優たちとの共演作。日本一の紙の生産量を誇る”紙の町”愛媛県四国中央市を舞台にした、文化系高校生たちの青春映画だ。成海璃子は書道部の部長・里子役。シャッター通りと化した地元を盛り上げるため、「書道パフォーマンス甲子園」を開催し、書道部のエースとして部員たちを束ねていく役どころとなっている。地方都市を舞台にした秀作映画『ウォーターボーイズ』(01)、『フラガール』(06)と同じく、本作も実話をベースにした物語。実際に「書道パフォーマンス甲子園」を立ち上げた愛媛県立三島高校をモデルにし、愛媛ロケが行われた。

 書道シーンに加え、6m×8m四方の紙の上で行なう書道パフォーマンスのシーンも、いっさい吹き替えなし。そのため、成海璃子らは撮影の1か月前から合同練習を開始。さらに愛媛での合宿ロケによって、すっかり体育会系部員のような結束がキャスト陣に生まれたようだ。ムードメーカー役の副部長・香奈を演じる桜庭ななみを相手に、成海璃子に自然な笑顔がこぼれる。実際にロケ現場では、キャリアの長い成海璃子は自然と慕われ、同世代のキャストをまとめる役割を負っていたそうだ。また、自分自身の内面と向き合う書道のスタイルは俳優業に似ており、部員同士が息を合わせて協力しないと完成しない書道パフォーマンスは、チームワークを尊ぶ映画製作に通じるものがあったのだろう。製紙工場の煙突をバックに自転車を漕ぐ姿、墨汁だらけで練習に励むジャージ姿など、成海璃子が天才少女役のときとは違った田舎の少女らしい気取りのない佇まいを見せる。その分、クライマックスの「書道パフォーマンス甲子園」で、墨を含ませると20kgもの重さになる太筆を手にした袴姿は、いつも以上に凛々しく感じるではないか。ちなみに本作のメガホンを取った猪股隆一監督は、『瑠璃の島』のチーフディレクター。なるほど、成海璃子の輝かせ方に長けているはずである。

shodogirls02.jpg吹き替えなしでの書道パフォーマンスに挑んだ成
海璃子たち。音楽に合わせて巨大な紙の上で行
なう書道パフォーマンスが臨場感たっぷりに展開
される。

 さて、あまり美しくまとめては日刊サイゾーらしくないので、17歳の天才女優・成海璃子の素顔を探るべく、過去の発言歴を検証したい。「野性時代」(角川書店)07年5月号の特集の中で”好きな小説、コミック、映画は?”という質問に対して、「コミック=『魁!!クロマティ高校』、映画=『レオン』」と答えている。おっ、ちょっと親近感が湧いてきたぞ。

 テレビドラマ版『はちみつとクローバー』(08年、フジテレビ系)でヒロイン・はぐみを演じた際の「JUNON」(主婦と生活社)08年3月号インタビューでは、「私もあまり人とコミュニケーションをとるのが得意ではないし」「私自身は同世代の友達が少ないんです。同い年ぐらいの人って、エネルギーがすごいじゃないですか(笑)」「今までわりと天才的な役が多かったですね。まわりから見るとそういうイメージなんですかね。だったら、次はバカの役をやりたいです」。う~む、天才は天才ゆえの苦労が尽きないようだ。

 いちばん共感できたのは、「Non-no」(集英社)08年2月5日号で語った休日の過ごし方。「休みの日は家でずっと都市伝説を調べています(笑)。新しい都市伝説を知ると『こんなスゴイことが!』ってテンションが上がるんです。(中略)休日はほとんど外出しないんですが、ディズニーランドに行くのは好きですね。乗り物に乗らずに、歩き回るだけで幸せな気分になるんです。あっ、そうそう。ディズニーランドも都市伝説の宝庫なんですよ、フフフ♪』 フフフ、ずいぶん、成海璃子さんがリコピンに近づいてきたじゃないですか。

 ホラーコメディ『山形スクリーム』(09)ではフェイスラインがふくよかになっていたことで、ストーリー以上にファンはハラハラしたが、あれは平安時代のお姫さまに間違えられる役だったので、彼女なりの周到な役づくりだったのだろう。『武士道シックスティーン』では剣道の試合で気合いを入れる際の変顔がとってもチャーミングだった。『罪とか罰とか』(09)でのやることなすこと災難つづきの売れないアイドル役も絶品だった。筋肉痛に悩まされながらも見事にやり通してみせた今回の書道パフォーマンスのように、”難しい役ほど、燃える”17歳の大女優・成海璃子。バラエティー番組で愛想笑いを振りまくことなく、女優道を邁進してほしいものである。
(文=長野辰次)

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●『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』
監督/猪股隆一 脚本/永田優子 音楽/岩代太郎 書道監修/石飛博光 出演/成海璃子、山下リオ、高畑充希、桜庭ななみ、金子ノブアキ 配給/ワーナー・ブラザーズ映画
5月15日(土)より全国ロードショー
http://wwws.warnerbros.co.jp/shodo-girls/

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最終更新:2010/05/16 11:00
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