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「やっぱり、騒いでいるのはネットだけ!?」あまりに空虚な『アイマス2』918事件



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「アイドルマスター2」バンダイナムコゲームス
公式サイト

 「918事件」といえば、中国における満州事変の呼称。ところが今年、日本では別の「918事件」が、ゲームユーザーたちを騒がせることになった。『THE IDOLM@STER 2(以下アイマス2)』を巡る騒動が、それである。

 バンダイナムコゲームス(以下バンナム)が開発した、このゲームは公式には「アイドルプロデュース体験ゲーム」と呼ばれるもの。プレイヤーは、新米プロデューサーとして選んだアイドル候補生を、一流のアイドルへとプロデュースしていくことになる。2005年にゲームセンターに設置して以来、XBOX360やDSなどの家庭用ゲーム機にも進出している。人気の背景は多彩なヒロインの歌や衣装のセレクトなどキャラとの濃厚なコミュニケーション機能だ。ゆえに2011年春にXbox 360用で発売が予定されている『アイマス2』は以前より、注目を集めていた。

 ところが9月18日、東京ゲームショーの席上でライバルとなる男性3人ユニットが登場すること。既存のヒロインのうち4人がプロデュースできないことが告知されたことで、騒ぎが始まった。Amazonの商品ページには発売前だというのに星一つの酷評が殺到(既に削除)。一部では、不買運動や「改悪反対」を主張する署名を呼びかける者まで現れている。ネットのあちこちで見られる批判の声に対しバンナム社は公式ブログで「一部の方による、出演声優様への『誹謗中傷の書き込み』等」を止めるよう呼びかけている。

 それほどまでに「ファンの怒り」は強いものがあるのか。バンナム社に問い合わせてみた。

「ご意見は、数多く頂いておりますが脅迫めいたものは、それほどありません」

 と、バンナム社の広報担当者は話す。担当者によれば、9月18日以降、ユーザーからの意見は数多く寄せられているものの、その多くはプロデュース不可になったキャラクターを可能にして欲しいといった要望。ネット上に溢れているような、誹謗中傷めいたものや、男性キャラが登場することへの怒りに満ちた声は、さほど見られないということだ。そして、「問題」とされている男性キャラの登場とヒロインの削減については「現時点では、変更をするなど新たな動きはないので、公式に伝えるべきこともありません」とのこと。ネットでの「大騒動」もあくまで限られた空間でのこと。製作現場を動揺させるようなものにはならず、空回りしているのが実情のようだ。

 実は、これに類似する事件は過去にも起きている。2008年に起きたマンガ『かんなぎ』を巡る、いわゆる「かんなぎ騒動」がそれだ。これは、女性主人公が過去に性的関係を持ったことがある、すなわち非処女を疑わせる描写(あくまで、匂わせる程度で確定ではない)から巻き起こったもの。ネットでは怒り狂ったファンを自称する人物が、単行本を引き裂いた写真をアップロードするといった騒動になった。

 ところが、実際に出版社には誹謗中傷も脅迫もまったく行われず、ネットの中だけの「祭り」だったことが明らかになっている。今回の『アイマス2』をめぐる騒動も、これと似たものといえる。

 いわば『アイマス2』騒動の本質は、単純に騒ぎたいだけの人たちが、最初に仕入れた情報を消費して楽しんだけに過ぎない。

「おそらく、(騒動は)以前からのユーザーには、ほとんど関係ないことでしょう」

 と話すのは『若者を見殺しにする国―私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)等、社会批評の著書を持つフリーライターの赤木智弘さん。

 赤木さんは、発表が行われた東京ゲームショーの時の映像が、ニコニコ動画などで「お葬式」等の非難めいた言葉と共に拡散していったことを指摘。多くの人は、その情報が正しいか否かを判断するのではなく「お葬式」だったという前提の下で「消費」したのだと論ずる。そうした情報の拡散を経て、情報の末端では動画を見て検証することもせず、ただ掲示板やニュースサイトに記された「アイマス2葬式会場」などの文字を見た人々が、Amazonのレビュー欄を荒らすような形で、祭りに参加したわけである。

「タチが悪いのは"自分は(アイマスを)やったことないけど"とわざわざ宣言して非難している人もいたこと。自分はプレイしていないから客観的に語れると思っているんでしょうけど...。一旦、立ち止まって考えたほうがいいですよ」

 面白半分に繰り返されるネット上の「祭り」。それに参加することに、どのくらい価値があるのか。暇な時間を書き込みに費やすならばパソコンを離れて熟考したほうがいい。
(取材・文=昼間たかし)


THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 2 Prologue


サントラもバカ売れ中。


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