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安くてウマイ!! 駄菓子界の異端児の人気の秘密に迫る『謎のブラックサンダー』

412ZnGFcXLL.jpg『謎のブラックサンダー』
(PHP研究所)

 「おいしさイナズマ級!」のキャッチコピーが光り輝く、駄菓子界の異端児「ブラックサンダー」。30円という低価格ながら、駄菓子の枠を超えた重量級のボリュームで、ほかの駄菓子とは一線を引く。ココアクッキー&チョコクランチにたっぷりとチョコが注がれたその味は、「うま~っ!」と叫び、5本連続でガツガツと人知れず食べ続ける乙女も現れるほど。個人的にもかなり好きで、コンビニで見かけると、「安いしウマイし、とりあえず買っとこー」と、つい手に取ってしまう。

 本書『謎のブラックサンダー』(PHP研究所)は、そんなブラックサンダーの知られざる人気の秘密に迫った一冊で、「ブラックサンダーヒストリー」、「ブラックサンダーの謎」、さらには、なんのこっちゃよく分からない、「ブラックサンダーのある風景」、「ブラサン(ブラックサンダーの略らしい……)水着SHOW」なるコーナーなど、感動あり笑いありのブラックサンダーのすべてを知ることができる内容となっている。監修は、ふだんは有楽製菓をウロウロしているが、Twitterで話題沸騰中のブラックサンダープロモーション係「サンダーさん」。

 冒頭の挨拶文では、

「涙なしには読めない復活の軌跡! そして壮大かつロマンのある野望!(中略)すごいぞ! ブラックサンダー!!」

 と、ブラックサンダーへの愛を興奮気味に語り、さらに、本書の随所でコメントしている。

 全体を通して、わりとTwitter的な軽いノリの内容だが、へぇ~っと思ったのは、「ブラックサンダーヒストリー」のコーナー。

 ブラックサンダーの歴史は1994年までさかのぼり、「駄菓子とは思えない、ボリュームのある『夢のお菓子』」をテーマに、愛知県豊橋市で誕生した。だが、意外にも当初は売れ行きが悪く、しばらくすると、生産中止にまで追い込まれてしまう。実際に約1年、店頭から消えていたのだが、販売店から「なぜやめてしまうのか」と言う声が数多く届き、さらに、「ブラックサンダーはヒット商品になるはず!」と信じる九州地区担当の営業マンが、復活を熱望。通常、一度生産中止になった商品が復活することはありえないのだが、彼の上司が「そんなに言うのならば」と異例の決断で復活を遂げる。とは言え、その後約10年間はヒット商品とは言い難い日々が続き、その流れを大きく変えたのは、08年の北京オリンピック。このとき、男子体操で銀メダルを獲得し、一躍時の人となった内村航平選手が、ブラックサンダー好きを公言し、爆発的に大ヒット。今では、年間なんと1億3,000個という驚異の数を売り上げている。

 ライバルは、「お腹が空いたら♪ ス○ッカーズ」らしく、今後は、国内だけでなく世界征服をもくろむ。体にイナズマが落ちる!? ほどのウマさと安さで、世界中で見られる日も近いかも。今後も、ブラックサンダーから目が離せそうにない。
(文=上浦未来)

謎のブラックサンダー

駄菓子バンザイ!

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ブラックサンダー1個×20個入

ネ申。

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最終更新:2011/03/10 11:35
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