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「中国か、北朝鮮か、中東か?」国内IP電話への不正アクセスが急増中

 インターネットを利用したIP電話交換機への不正アクセス被害が、急速に拡大している。

 警視庁の観測システムでの検知数は、昨年7月から年末までで約13万件、今年も3月までですでに4万件近い数を観測。身に覚えのない国際電話料金の請求が届くなど、被害が全国的に急増しているという。

 一部被害の報告を受けているというNTT東日本に話を聞いたところ、「主に海外からインターネットを経由して侵入し、パスワードを読み取り、無断で通話を利用されてしまう」という。

 大半のアクセスは「中国から」(警視庁)というが、専門家によると「経由地に利用されているだけの可能性があるので、中国人の仕業とは断定できない」という。


「公安当局がいま躍起になって捜査に乗り出しているのが、北朝鮮による組織的ハッキング。脱北者の証言から、軍幹部らがコンピューターを使った電子戦力の向上に力を入れていることが分かっています。最高の教育機関である北朝鮮自動化大学の学生などを、軍の専門機関に集めて養成。3万人を超えるハッカー部隊がいるというのです」(専門家)

 実際、昨年あたりから、アメリカと韓国では国防省など政府機関へのハッキング被害が頻発。今年4月には韓国の農業団体のネットワークシステムが停止する事態もあった。6月には国際通貨基金(IMF)がサイバー被害の報告をしている。

「北の後継者、金正恩氏がサイバー部隊の責任者に就任したという話もあって、電子戦の実績作りをしている可能性があります」(同)

 一方、中東を本拠地とする宗教的テロ組織のサイバー攻撃も活発化。世界中を行き交う組織間の連絡に不正アクセスによる通信が使われている可能性も指摘されている。

「先日、インドネシアでは瞑想団体を装う団体の幹部が不正アクセスの疑いで逮捕されています。この人物はテロ犯罪とはまったく無関係だったのですが、宗教の普及で広く電話をかけるためにIP電話への不正アクセスを繰り返し、さらにパスワードが判明したアクセス先を広くばら撒いていたんです。その流出先のひとつが中東のテロ組織だったと言われています」(同)

 この瞑想団体は日本にも複数の支部があり、ネットの掲示板などではサイバー的な布教活動が取り沙汰されているが、今のところ国内の不正アクセス被害との関連性は見つかっていない。

 北朝鮮か中東か、それとも宗教団体か。いまだ犯人の分からないまま増加を続けるサイバー被害は、頭の痛い社会問題となりそうだ。
(文=鈴木雅久)

核を超える脅威 世界サイバー戦争

始まっちゃった?

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最終更新:2013/09/12 13:19
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