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松本人志の芸能活動休止に想うこと…逸脱したメディアパワーを振りかざす責任

「週刊文春」による、女性に対する性加害疑惑報道を受けて、1月8日、ダウンタウンの松本人志が無期限の活動休止に入ることを吉本興業が発表した。松本は、報道内容は事実無根だとして、今後は法廷闘争に注力していくという。
そんな一連の流れに異を唱え、松本のX(旧Twitter)にいち早くエールを送り、注目を浴びることになったが、松本と同じ尼崎出身である作家の沖田臥竜氏。同氏が抱える違和感の源泉、松本に対する想いとはどんなものなのか?  

お互いの主張が対立する中での活動休止

 一部の報道によって生み出された世論や社会的な動きが、文化や伝統をいとも簡単に崩壊させてしまっている。そうした風潮を社会問題として認識できている人々がどれだけいるだろうか。インターネットの普及は世の中を劇的に進化させることに成功した。だが、それはまた他人を安易に誹謗中傷することの罪悪感を薄れさせ、戦う覚悟や信念もない人々の中に“歪んだ正義”を生み出してしまっているのもまた事実だろう。

 人の不幸は密の味と昔から言われてきた通り、有名人のスキャンダルやゴシップがある意味、快楽に似た感情を人々に抱かせてしまっていることは、SNSが影響を持つような今の社会になってから始まったことではない。

 そんな中で「週刊文春」が年末に報じたダウンタウン松本人志氏の問題は、お互いの言い分が真っ向から対立する中で事実かどうかが争われる以前に大きな波紋を呼び、結果として松本氏を活動休止に追い込むことになった。

 文春の報道を後追いするかのようように、自分では取材もせずに松本氏を叩いてきたジャーナリストたちやメディアは、この結果にさぞ満足だろう。一方で「松ちゃん負けるな!」の声が高まってきたり、松本氏側も相当な自信と事実無根の根拠が持っているのではないかと見方も強まってきたりする中で、そうした者たちが今さら都合よく、松本氏を批難した姿勢をなかったことにはできない。日和見的なそうした姿勢は人間性を疑われるわけで、そもそもそんな人種が本当のジャーナリズムを理解することなど不可能である。

 所詮、私は尼崎の野良犬だった人間だ。そこから物書きになることを目指し、何十年もペンを握りしめて、何の人脈もツテもないところから、たった1人でここまでやってきた。

 だけど、たったの一度も満足したことなんてない。それは、尼崎が生み出したダウンタウンという大きな壁があったからだ。芸能人と書き手は、資質や活動のフィールドが違う。だが、笑われるだろうが、いつか天下のダウンタウンを超えていきたいと考えていた。同時に、あのダウンタウンにも認めてもらえるような書き手になりたいと思っていた。だから、私の野望は尽きなかった。尼崎出身の私にとっては、ダウンタウンの2人は特別であり、誇りなのである。

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