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「AKB48ファン少年だけじゃない!」侵入者を止められない”ザル警備”テレビ局の実情

 偽造の社員証にレンタルした業務用カメラ、テレビ局のスタッフそっくりに変装したニセ関係者が横行している。

 5月、札幌で行われたAKB48の握手会では、北海道放送(HBC)のスタッフになりすました18歳の無職少年が関係者エリアに侵入し、ビデオ撮影。後日、建造物侵入容疑で書類送検されていたことが分かった。

 この少年は、テレビカメラマンが身に付ける腕章と社名入り身分証カードを自作で偽造。さらに、レンタル会社から借りたという業務用ビデオカメラを肩に担いで関係者に変装、現場にいたセキュリティーの目をくぐり抜けていた。北海道警察によると少年はAKB48メンバーをインタビューする目的で、謝礼として商品券なども準備していたというから用意周到だ。


 不自然に会場内を動き回っていたためスタッフに発見されたが、下手すればメンバーに接見してしまうところだった。

 「少年は補導した際も悪びれた様子はなく『次はもっとうまくやる』『他にもやっている奴はいる』なんてつぶやいていた」とHBC関係者はあきれ顔だが、実はテレビ界においてはこうした被害は珍しいことではない。ある在京キー局の関係者も「私が知るだけでも年に十数名は不法侵入者が見つかっている」という。

「大半は芸能人に会いたいという熱狂的ファンで、よほど悪質でなければ厳重注意して追い出しているが、中には生放送の番組に乱入しようとした者もいて困っている。あるバラエティー番組では出演した女性タレントのマネジャーを名乗った偽者が入り込み、タレント本人にラブレターを手渡したこともあった」(同関係者)

 近年のテレビ各局はセキュリティー強化に努めており、大半は磁気カードなどがなければ中枢エリアには入れなくなっているのだが、それでも人の出入りが多い玄関口や、管理がしにくい取材現場などは不法侵入が後を絶たないという。あるテレビディレクターは「スタッフが持っている入館証も、現実的にはチェックがザル」と証言する。

「入館証は各々写真入りなのに、たまにスタッフ自身が持参するのを忘れたとき、他人のを借りても入れるぐらいです。ガードマンはそこまで細かく見ていないんですよ。磁気カードが必要なエリアだって通行人と一緒に入ってしまえばいいだけ。ニセモノでも入れる確率は低くないですよ」(同ディレクター)

 さらにタレントなど来訪者に同行する関係者においては、事前に人数が把握できないため現場でいちいちパスを発行しておらず、結果的にゲストの入館証すら持っていない人間が行き交っているのが実情だ。

「過去、収入の低いADが謝礼をもらって他人に入館証を貸し、それをもとに作られた偽造パスが実際に使われたこともありました。局内の盗撮などに悪用されることも考えられるので、最近では女子アナたちも利用者の多いトイレは使わなくなったりしていますね」(同ディレクター)

 これだけ抜け穴の多いテレビ業界だけに、念入りに変装したニセ関係者はなおさら見破りにくいわけだ。変装されるのはテレビスタッフだけではなく、ある局では「有名な女性タレントに似た女性がサングラスをかけて本人になりすまして来訪し、ガードをくぐり抜けた」(同局関係者)こともあったというから恐れ入る。

 モノマネ大会じゃあるまいし……と失笑する関係者もいたが、笑っている場合ではないだろう。現時点でニセ関係者の侵入を完全に防ぐ策はないに等しいのだ。
(文=鈴木雅久)

テレビ局の裏側

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最終更新:2013/09/11 12:09
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