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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第3回

大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ

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大人気「ドリエル」はぼったくり!? 正しい睡眠補助薬のススメ – Business Journal(10月22日)

post_886.jpgHPの可愛らしいデザインを見ると女性向けなの?
(「エスエス製薬HP」より)

 オイッス!

 キッチリ寝てますかぁ? 本当に安眠できてますかぁ? 毎晩、羊数えていませんかぁ?

 会社に学校と、ストレスフルでドレッドフルな現実社会、寝ている間くらいは安らかに休みたいもの。とはいえ、いざ寝ろと言われると意外と寝れないことも多く、さらに考え事なんて始めると睡眠時間がどんどん減っていきます。

 そういった潜在的な不眠を抱える人が多いのか、睡眠補助薬では2003年に販売された「ドリエル」が、製造販売元・エスエス製薬のドル箱薬として今や薬局で不動の地位を確立。その後、追い商品も10を超え、睡眠補助薬の棚が出来上がっている薬局も少なくありません。

 さてさて、問題なのは、エスエス製薬のドリエルだけでなく、グラクソ以下略の「ナイトール」も大正製薬の「ネオデイ」も全部ひっくるめて1種類の成分しか含まれていないこと。これに気が付いている人は案外少ないのでは?  そしてその成分が古くからアレルギーの薬として普通に使われてきたことを知っている人はより一層少ないといえます。

 今回はそういった睡眠補助薬の話に加えて睡眠についてちょっと見直してみたいと思います。

 まーぶっちゃけ、睡眠補助薬なんかバカ高いの買わんで、同じ成分で安い薬があるからそっち買ったほうが得だよって話なんですが……。

●まずは商品を紹介

 いつもなら最後のまとめとして挙げている商品レビューですが、今回は進行の関係上、オチから話を進めます。

 下の表を見てもらえればわかるように、1回の使用量である50mgの価格は、概ねどっこいどっこい。若干ドリエルが高く見えるけど、セールで安く売られることもあるし、実際の価格差は薬局薬店によってまちまちなので、なんとも比較対象になりずらい。1回使用量は50mgだから12錠入りでも結局は6回分。故に各社、差別化をはかろうとパッケージなどでがんばってはいるものの中身はてんで同じ。どれを買っても何も変わりません。

ドリエル2錠あたり50mg 12錠入り 1680円
ネオデイ2錠あたり50mg 12錠入り 1200円
マイレスト1錠あたり50mg 6錠入り 1250円
グ・スリーP1錠あたり50mg 6錠入り 1280円
おやすみーな2錠あたり50mg 10錠入り 1500円
(価格は販売店によって数百円の誤差があります)

 で、同じ成分(ジフェンヒドラミン)を含んだ睡眠補助薬以外の薬の価格を見ると、先の表から計算をする気が失せる理由がわかります。例えば……。

・レスタミンコーワ5錠あたり50mg 220錠入り 1400円

 抗アレルギー薬であるレスタミンコーワは、ドリエルが発売されるはるか昔から薬局で市販されていた薬で、現在も普通に買うことができます。レスタミンは50mgの成分あたりわずか30円。ドリエルは280円、他社のゾロもどっこいどっこいと来れば、何故睡眠補助薬が、こんな高値で売れているのか疑問に思うレベルです。

 そんなうまい話は……と思う人も多いかと思いますが、レスタミンコーワに含まれている成分はドリエルと同じジフェンヒドラミン塩酸塩、ついでに無駄な成分もなし、本当に同じです。たしかに5錠も薬を飲むのは気分的に怖い感じもしますが、ドリエル2錠と成分はまったく同じなんです。

 どうしてこんなことになっているかというと、ジフェンヒドラミンは古くからアレルギー症状を抑える抗アレルギー薬として使われていました。しかし、強い眠気が自動車事故を誘発する恐れがあるなどとして、多くの風邪薬から使用量が減らされていきました。

 とはいえ効果はとても高く、特に鼻炎がひどくて寝入りの悪い人や、途中で起きてしまう人などには古くから愛用されてきたのがレスタミンコーワという薬なのです。「じゃあレスタミンコーワも、睡眠補助薬として使えると説明書や箱に書けばバカ売れじゃなーい」と思う人もいるかと思いますが、薬の認可や適用範囲というのは、厚生労働省に事細かな書類を提出したり、時にはおエラいさんを接待をしたりと、さまざまな長く苦しい手間と心労をかけなければ、適用症例ひとつにしても修正することは不可能なのです。

 ちなみにこの睡眠補助薬ブーム、もともとアメリカで数年ほど先んじて起こったブームを受けて、国内メーカーもスケベ心を出して、商品化したという感じのようです。結果的に、もくろみは大成功。例えばエスエス製薬は総額約83億円(頭痛薬に次ぐトップセラー)の大フィーバーなわけで、それをみた各社が俺も俺もと乗り込んでくるのは、切ないものがあります。

●使用上の注意もろもろ

 さて、いいかげん後ろからブッスリ刺されそうな気がしてきたので悪口はこの辺にして。ジフェンヒドラミン系睡眠補助薬を服用するときの注意点を説明しましょう。

 ジフェンヒドラミンは特に重い副作用はないのですが、粘液の分泌を止めるため、口や喉が乾燥しやすくなります。また人によっては胃を荒らすことがあります。

 それ故に乾燥している時期やエアコン全開の部屋での睡眠時にバンバン服用していると、寝ている間にノドをガッツリ痛め、それが原因で免疫力を落として風邪を引いてしまう可能性もあります。

 ようするにあまりガンガン飲むような薬ではないということです。

 睡眠障害というのは、さまざまな疾病の初期症状であることが多く、睡眠補助薬を1〜2回飲んでスッキリする程度の不眠なら十分なのですが、朝起きても、疲労が全然とれていなかったり、日中ずっと眠いという場合は、睡眠障害というちゃんとした症状の可能性大です。

 幸い、「寝る」という事に関しては、専門の病院(心療内科など)に行けばいくらでも良い薬があります。

 また「睡眠薬を使うなんて……」「睡眠薬を使ったら負け……」そういった考えは捨てるべきです。もちろん薬に頼り切るのは、それはそれで問題ですが、心が風邪を引きかけているかもしれないのを見過ごすのは賢いとはいえません。

 毎日晩酌、寝酒をするくらいなら専門の薬のほうがはるかに体にいいでしょう。

 そしてなにより「きちんとリズムを直したい」と医師に相談して専用の薬をもらったほうが、圧倒的にQOL(Quality of Life)は改善します。ついでにそういった薬は、筋肉の緊張もほぐすので肩こりにも効果があったりと、市販薬なんかと比べるまでもありません。

 睡眠というのは脳を休めて次の日に備える大事な時間です。そこに障害があると到底楽しい人生なんて送れません。睡眠の質が低下しているなと思ったら、早めの専門医。

 なんかマトモなこと言い過ぎてオナカイタクナッテキタ。

 それではまたの次回をおったのしみに!♪
(文=へるどくたークラレ)

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最終更新:2012/10/24 14:00
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