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中央道・笹子トンネル崩落事故 「崩壊の予兆あった」とトラック運転手が証言

3946975131_716738a895_m.jpgイメージ画像(from flickr)

 12月2日午前に起きた、山梨県の中央自動車道上り線・笹子トンネルの天井板崩落事故は、天井版の下敷きや、発生した車両火災により9人が死亡する大惨事となった。

 中日本高速道路によると、笹子トンネルは筒状のトンネル本体の上部から、平らな天井板を金具でつり下げる構造だったといい、トンネルと金具とをつなぐボルト部分が抜け落ちた可能性があるという。

 高速道路側は「過去には同様の事故は起きていない」と、安全管理に問題がなかったことを強調している。ところが、同トンネルを月に数回、営業車で通行していたという食品メーカー社員の男性は、事故の予兆とも思える現象を目撃していたと証言する。

「あのトンネルは、とにかく漏水がひどかった印象があります。1年ほど前までは、トンネルの壁面を伝って水が流れている程度だったのですが、最近では、車のフロントガラスや屋根に直接滝のように落ちてくることもあった。トンネル自体も見た目からしてかなり老朽化していることもあって、営業仲間の間でも『あそこはそろそろヤバい』と冗談交じりに言っていたのですが、まさかこんなことになるとは……」

 ただ、山を貫いて建設されるトンネルから湧き水が染み出るのは珍しいことではなく、今回の事故と直接の因果関係があるとは限らない。しかし、漏水の増加をきっかけに、より詳細な点検作業が行われていれば、今回の事故は未然に防げた可能性もある。

 天井板を持つ同様の構造のトンネルは全国に20以上存在し、その多くは老朽化が進んでいるという。高速道路各社は、同構造のトンネルを一斉点検する方針だ。事故原因の徹底解明と再発防止策が急がれる。
(文=牧野源)

最終更新:2012/12/03 16:00
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