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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.246

イジメに関わったヤツらはみんな断罪するッ!! 現代に甦った“思春期ホラー”の傑作『キャリー』

carrie_01.jpgクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされた『キャリー』。オリジナル版のファンだったモレッツは、オーディションを受けてキャリー役をつかんだ。

 “百獣の王”ライオンが吠え叫ぶMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)のオープニングロゴ。レオ・ザ・ライオンの名で洋画ファンに長年親しまれているマスコットキャラクターだが、クロエ・グレース・モレッツ主演作『キャリー』のオープニングはちょっと異なる。レオ・ザ・ライオンの瞳のクローズアップから始まり、普段のレオの瞳はとても優しいことがわかる。ところがレオを脅かす存在が現われると、その表情は一変してキバを剥く猛獣へと変貌する。オープニングロゴのアレンジに、リメイク版『キャリー』のテーマがすべて語られていると言っていいだろう。

 原作はスティーブン・キングの初めての長編小説。まだ無名時代のキングが自宅代わりのトレーラーハウスで書き上げたものだ。高校の臨時教員をしていたキングは、生活費の足しになればと雑誌向けの短編小説を書いていた。イジメに遭う少女の復讐談を書き始めたが、雑誌に掲載するには長過ぎることから未完成原稿をゴミ箱に棄ててしまう。ゴミを片付けようとしたキングの奥さんに「この小説、面白いわ。あなたはこれを書き上げるべきよ」と励され、完成させるに至る。生みの親であるキングから一度は見捨てられた少女キャリー・ホワイトの物語はこうして誕生した。

 キング原作の初めての映画化となったブライアン・デ・パルマ監督の『キャリー』(76)は世界中で大ヒットし、今なお“思春期ホラー”の金字塔として人気が高い。キリスト教原理主義者の母親マーガレットと2人暮らしの高校生キャリー・ホワイトはいつも地味な服装で、オドオドしていることから、クラスメイトたちにからかわれてばかりいた。体育の授業の後、シャワーを浴びている最中にキャリーは遅めの初潮を迎え、パニック状態に陥る。大人への成長はけがらわしいことと考えるマーガレットから、キャリーは生理について一切教えてもらっていなかった。下半身から血を流して泣きわめくキャリーに向かって、女子たちは爆笑しながら生理用品を投げつける。体育教師に連れ出され、うなだれるようにして帰宅するキャリー。だが、この日を境にキャリーは不思議な力を発揮するようになる。キャリーの感情が高ぶると、周囲のガラスや鏡は次々と割れ始めた。

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