深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.723
事件が発覚したのは、2013年10月だった。高齢者専門の売春クラブが東京都内で摘発され、クラブの経営者が逮捕された。一般新聞に三行広告を掲載し、集まった男性会員は約1000...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.722
青臭くて、ひとりよがりで、あまちゃんで、心の奥にはケロイド状の傷が残ったままなので、振り返るのがかなりつらい……。社会人になりたての頃は、誰しも仕事や恋愛につまずき、のたう...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.721
中国のロウ・イエ監督は、中国当局と闘い続けているタフな映画監督だ。中国ではタブーとなっている「天安門事件」を扱った『天安門、恋人たち』(06)は、国の許可が下りないままカン...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.720
ヴァン湖(ヴァンゼー)はドイツの首都ベルリンの西郊外にある行楽地として知られている。そんなドイツ市民に愛されるヴァン湖の湖畔にある瀟洒な別荘にて、恐るべき秘密会議が第二次世...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.719
一本のネット記事が口火となり、#MeToo運動が世界に広まることになった。2017年10月、ハリウッドの大物プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタインは長年にわたる性犯...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】年末年始編
2022年の国内最大のニュースといえば、7月8日に奈良市で起きた安倍晋三元首相射殺事件に尽きるだろう。安倍元首相を自作した銃で襲った山上徹也容疑者の供述がきっかけで、世界平...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.718
フィリピンのスラム街で暮らす「困窮邦人」たちの実情をリアルに伝えたドキュメンタリー映画『なれのはて』は2021年暮れに劇場公開され、新宿K’sシネマが連日満席になるなど、予...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.717
外出の際はマスクをするのがコロナ禍以降の常識であり、マナーだろう。そう思ってマスクをずっと着用していたが、一部の人にはマスク越しの会話が負担になることを初めて知った。映画『...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.716
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
三好達治の二行詩「雪」は国語の教科書にも載り、誰もが一度は読んだことがあるだろう。そん...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.715
映画ジャンルのひとつに、「地獄めぐり」がある。その名の通り、観客に地獄の門をくぐってもらい、あの世を体験してもらおうという疑似的ダークツーリズムの世界だ。中川信夫監督の『地...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.714
男と女の関係は、あみだくじのように複雑で、どんな結末を迎えるのか予測するのは難しい。「理想の恋人だ」と直感が働いても、残念な結果に終わることもある。「ちょっと無理」と思って...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.713
映画は基本的にフィクションの世界であり、脚本や演出に基づいて、俳優は架空のキャラクターを演じてみせる。だが、観客はしばしば、スクリーン上に映し出されたキャラクターと演じてい...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.712
大地震、大火災、大水害、人喰いザメ、巨大隕石の落下、謎のウイルスの感染爆発……。さまざまな災害が人類を襲うパニック映画が、これまで数多くつくられてきた。韓国では実話系マッド...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.711
ミニシアター文化はこのまま消滅してしまうのだろうか。街の古い映画館はすべて取り壊され、シネコンや配信サービスに変わってしまうのだろうか。岩波ホールやテアトル梅田などの伝統あ...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.710
恋多き女。2021年11月9日に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴は、生涯そう呼ばれた。若手作家時代に発表した『花芯』は性描写の赤裸々さから、「子宮作家」とも呼ばれることになった...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.709
親を早くに亡くした子どもは、親が亡くなった年齢が近づくと考え込むようになる。親はなぜ死んだのか、死を避ける方法はなかったのかと。もはや答えを返してはくれない親に代わって、子...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.708
低予算ながら、振り切った演出が売りとなるホラー映画は、新しい才能が次々と誕生するゆりかごのような映画ジャンルだ。ハリウッドでは『ゲット・アウト』(17)でジョーダン・ピール...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.707
年間およそ8万人。日本国内における行方不明者の数である。犯罪に巻き込まれたケース、認知症などの疾病が原因で行方が分からなくなったケースなどもあるが、原因がはっきりしないこと...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.706
阿部サダヲ主演のコメディ映画といえば、水田伸生監督と組んだ『舞妓Haaaan!!!』(07)や『謝罪の王様』(13)が共に興収20億円を超えるヒットになったことが思い出され...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.705
「彼女は私だ」
2020年11月16日未明に渋谷区幡ヶ谷のバス停で起きた暴行致死事件のあと、そんな声がSNSに上がった。NHK総合のドキュメンタリー番組『事件の涙』が亡く...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.704
無抵抗の市民を警棒で何度も殴りつける警官たち、車の中で怯えている市民を窓ガラスを叩き割って引き摺り出す警官たち、歩道にたたずむ市民に向かって手榴弾を投げる警官もいる……。ど...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.703
恐怖は目には見えない形でやってくる。そんな可視化できない殺人鬼によって、幼児や妊婦たちが次々と犠牲となる痛ましい事件が起きた。さらに恐ろしいことに、その姿の見えない連続殺人...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.702
ひとりの少年が、ある少女と出会い、恋に落ちることで物語が始まる。“ボーイ・ミーツ・ガール”ものは、映画や小説の王道的な設定だ。だが、運命的な出会いを果たす相手は、必ずしも人...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.701
アリ・アスター監督が『ヘレディタリー/継承』(18)と『ミッドサマー』(19)を連続ヒットさせて以降、ホラー映画の水準は世界的にぐんと高まった。台湾では人間の本能を炙り出し...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.700
誰もが暮らしやすい平和なユートピアを目指していたはずが、いつの間にか街は息苦しいディストピアと化していた。トム・クルーズ主演作『マイノリティ・リポート』(02)やフランソワ...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.699
「愛は平和ではない。愛は戦いである」
梶原一騎原作の漫画『愛と誠』(講談社)で有名になった、インドの初代首相ジャワハルラール・ネルーが娘に宛てたと言われている言葉だ。イン...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.698
時代の流れは、年を追うごとにスピードを上げていく。流れに乗り続けるのは容易ではないし、うまく波に乗ったつもりでも、後戻りできないところまで流されてしまいかねない。そんな現代...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.697
この世界には、モンスターよりも恐ろしいものがいる。そんな現実世界に実在する、モンスターよりも恐ろしいものの正体を暴いてみせたのが、ドキュメンタリー映画『ファイナル アカウ...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.695
戦争映画の多くは矛盾に満ちている。企画意図に「反戦、平和」を謳いながらも、実際に製作された映画の中の戦闘シーンには、観客に高揚感を与えるものが少なくない。スティーヴン・スピ...
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.694
新興宗教とセックスを題材にした山本直樹の青年漫画『ビリーバーズ』(小学館)が、ピンク映画出身の城定秀夫監督によって実写映画化された。冴えない高校生たちの青春群像劇『アルプス...