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古代の謎に迫る!? 福島市「遺跡ミステリーツアー」が大ブレークの兆し

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 福島市が開催した「遺跡ミステリーツアー」が、全国各地の観光関係者から注目を浴びている。

 福島市が開催したのは、同市岡島字宮畑の宮畑遺跡で来年開園予定の史跡公園「じょーもぴあ宮畑」に合わせた、遺跡の謎とパワースポットなどを楽しむミステリーツアーだ。同時に、この遺跡の謎を素材とした小説・漫画も募集され、ミステリー好きはもちろん、創作家が取材も兼ねて参加するなど大好評なのだ。


 同遺跡は、縄文時代のものとされる3つの集落跡で竪穴住居が発掘されたが、半数の住居が焼かれているという、他の同時代の遺跡にはない痕跡が謎のままとなっている。1998年に大型柱穴が発掘され話題となり、03年に国の史跡に指定。現在は、毎年10月に宮畑縄文まつりが開催されている。8月下旬、このツアーに参加してみた。

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 学者によると、謎は大きく分けると2つ。竪穴住居46棟のうち22棟が意図的に焼かれたことと、直径90センチのクリ材の柱が埋まっていたと思われる大型柱穴。誰がなんのためにやったのかが、ハッキリしていない。これを、考古学の研究というよりミステリーとして解き明かす方向性が受け、30代中心の若い層が多く参加、活発に意見を交換し始めた。

 柱については「モニュメントとして立っていた」「死刑囚を縛りつけていた」「宗教儀式を行う神殿のような建物があった」など、焼かれた住居について「衛生のため」「火災」などの臆測が次々に飛び交った。参加者の中にはミステリー作家もおり、「ここを舞台に作品を仕上げて応募する」と、参加者から出た数々の意見も参考にしていた。

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 謎解きだけでなく、石斧での伐採や桃狩りなども体験できた参加者からは「このミステリーをきっかけに周辺の歴史について調べたら、とても面白い土地だということが分かった。この土地が好きになったので、もう一度来たい」という声もあった。

 もっとも、この盛況に喜んでいたのはミステリー好き以上に主催の福島市の役所職員。「震災で被ったマイナスイメージを払拭する、街の活性化のひとつになる」と笑顔だった。ツアーは当初30人ほどが集まれば御の字という話だったが、結果的に参加は50人を超えた。

 ツアーの成功を知った某自治体の観光関係者は「各地でいま文学賞の廃止が相次いでいて、それをツアーと合体させて一石二鳥とするアイデアは見事」と、今後のイベント企画の参考にしたいと話していた。

 町おこしに一石を投じた福島市のミステリーツアーは今後、応募作品から小説・漫画の名作が生まれる期待も膨らむ。
(文=ハイセーヤスダ)

最終更新:2014/09/10 18:00
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