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キアヌ・リーブス演じる元殺し屋の壮絶なる復讐劇!『ジョン・ウィック』

eiga1016Motion Picture Artwork (C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. (C) David Lee

 今週取り上げる最新映画は、キアヌ・リーブスの巧みなガンさばきが冴えるダークなアクションと、シャイリーン・ウッドリーが人類を解放すべく奮闘するSFシリーズの第2作。前者が現代の暗黒街を、後者が近未来の管理社会をそれぞれ丁寧に描き込み、主人公の戦いに説得力を持たせている(いずれも公開中)。

『ジョン・ウィック』(R15+)は、キアヌ・リーブス主演で元殺し屋の壮絶な復讐劇を描く本格アクション。引退したスゴ腕の殺し屋ジョン・ウィックは、死別した妻から贈られた小型犬と穏やかに暮らし、喪失感を徐々に癒やしていた。しかし、ロシアンマフィアのボスの息子が、ジョンの愛車を狙って自宅に押し入り、犬を殺してしまう。元殺し屋は封印していた闘争本能を解き放ち、マフィア相手に復讐を繰り広げていく。


 監督は、『マトリックス』(1999)でキアヌのスタントダブルを務め、これが初メガホンとなるチャド・スタエルスキ。銃撃と格闘技を組み合わせた新銃術「ガンフー」を開発して、ジョンが流れるような動きで次々に敵を撃ち、接近戦で殴り倒すアクションをスタイリッシュに演出した。殺し屋たちが集う中立地帯のホテルなど、雰囲気たっぷりに描写される裏稼業のコミュニティーも見どころ。全米1位の大ヒットを受けて続編の製作も決定しており、“キアヌ完全復活”を印象づける快作だ。

『ダイバージェントNEO』は、全米ベストセラーのヤングアダルト小説シリーズを、『きっと、星のせいじゃない。』(14)のシャイリーン・ウッドリー主演で映画化したSFアクションの続編。全人類が性格別に5つの共同体(勇敢、無欲、平和、高潔、博学)に分かれて暮らす近未来の世界で、独立した思考を持つ「異端者=ダイバージェント」のトリス(ウッドリー)は、「博学」の指導者ジェニーン(ケイト・ウィンスレット)の策略により逃亡の日々を送っていた。仲間たちと「平和」の村に身を潜めるが、追っ手が迫ったため都市部に移動し、反乱を目指す無派閥の集団と合流する。

『きっと、星のせいじゃない。』でウッドリーの恋人役を演じたアンセル・エルゴート、『ファンタスティック・フォー』(公開中)のマイルズ・テラーら続投組のほか、無派閥のリーダー役でナオミ・ワッツが新たに参加。仲間が敵に寝返ったり、敵と思われた人物が味方だったりと、先の読めない展開に興味をそそられる。後半でトリスが挑む仮想空間でのシミュレーションテストは、視覚効果を駆使した超現実的な世界のビジュアルが圧巻だ。米ヤングアダルト小説原作のSF映画シリーズとしては、やはり2作目の『メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮』(10月23日公開)、4作目にして完結編の『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』(11月20日公開)が相次いで封切られるこの秋、それぞれの世界観とキャラの魅力、アクションの創意工夫を見比べるのも一興だろう。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ジョン・ウィック』作品情報
<http://eiga.com/movie/79911/>

『ダイバージェントNEO』作品情報
<http://eiga.com/movie/81930/>

最終更新:2015/10/16 23:00
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