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なぜ藤本美貴は炎上しないのか~「無難」が一番? ママタレとしてのリスク回避術

 2月20日土曜日、東京・日テレタワーにて行われた「ママモコモてれび」の子育て支援イベント『藤本美貴の「コ育て・パパ育て・ママ育て」』。タレント・藤本美貴(31)が出席し、およそ1時間にわたって同局アナウンサーの菅谷大介(44)と子育てをテーマにトークした。

 前回の同番組イベントゲストは辺見えみり(39)で、客層は30代後半とおぼしき落ち着いたおしゃれママ達が多かったが、今回は20代の若いママが中心。いや、それよりも……目立つのはパパの姿! 前々回のゲスト、元モーニング娘。辻希美(28)、飯田圭織(34)の時にもパパはわりと来場していたが、それよりも圧倒的に多く、もう会場の半分くらいパパなんじゃないの? と思うほど。かつてのミキティファンたちが、妻のお出かけに便乗してやってきたのか、それともパパ自らが妻に「こんなイベントあるんだけど」と誘ったのか、経緯は分からないが、とにかく「子育てイベント」にしては男性参加率が高かったことは確か。藤本美貴、すごい。そして、取材エリアにいる記者もすごく多い! 会場の熱気はこれまでと比較にならない。ミキティの元アイドルとしてのカリスマ、現在の注目度の高さがありありと分かる。といっても、このイベント直前である2月16日、同じハロー!プロジェクトOGの里田まい(31)が第一子出産、安倍なつみ(34)は妊娠を発表しており、報道陣には彼女らへのコメントを求める目的もあったと思われる。実際、イベント直後に多数の媒体が記事にしているのは、ふたりの出産、妊娠をミキティが祝福しているという内容であった。

 筆者は今回も、messy編集長とともに子連れでの参加。もうこのイベントに来るのも3回目、子連れで来るのは2回目である。色々と勝手が分かってきた。場を繋ぐためのオモチャやオヤツも持参。さらに会場後方に絵本やレゴが置いてあるキッズスペースの存在もしっかり把握していたので、子供たちをそこで遊ばせながら、前回よりは若干落ち着いてトークに耳を傾けることができた。とは言っても、キッズスペースにずっと子供たちもいるわけでなく、相手をしながらなので、たびたび“トークを聞く”という行為が中断されるのは、もうしょうがない。帰りには、持って来ていたオモチャのバスがなくなってしまった。これも、しょうがない。

 さてさて、そんな熱気あふれる会場に登場したミキティの繰り広げたママトークであるが……ソツがない。会場を飽きさせない。でもよく聞いてみれば突っ込みどころのない模範的回答に終始し、苦労は語らず、夫への感謝や愛情はたっぷり語る。あらためてミキティのタレントとしての本物感を見せつけられた。しかも、実物のミキティはものすごく可愛い。顔が小さすぎて驚く。少し前に「フライデー」(講談社)に撮られたプライベート写真(すっぴんジャージ)では怖いオバさんふうだったし、ブログにUPする写真も髪の毛ボサボサだったりで「ん?」と思っていたが、お仕事のときはきっちりキメてくるんだな(当たり前)。ともかくも、結婚7年めで2人の幼子を育てながらこれだけの可愛さキープし、共働きであるのに家事負担を全面的に負い、育児をかるがるこなし(てるように見せ)、夫への愛情も薄れず、スキンシップを忘れない……少なくない数の男性たちが夢見る“理想の妻”そのものなのである。特に夫・庄司智春(40)の転がし方がすごい。好きで、愛して結婚したといっても、人間とは怠慢なもので、継続して愛情を伝え続けることをしなくなるケースはままある。ここまでできるミキティにはただ感服するばかりだ。

「逐一ありがとうと言っとけば、旦那さんも嬉しいですよ」
「(庄司は休みが取れず)子供と私だけで旅行に行って、帰ってくると旦那さんがタオルを“畳んで”置いてくれていた。もうその場で旦那さんに電話して『タオルが畳んである! すごい~~!』って」
「子供はいつか巣立つので、奥さんは旦那さんのことをもっとかまうべき」
「子供を寝かしつけた後、(自分が)起きれるときは起きて(寝室を出て)、旦那さんと夫婦の時間を持ってちょっと話したりする」
「旦那さんは、子供より私のことの方が好きですね。ママが一番で子供は二番」
「未だに夫婦でメールやLINEもすごいするし、自撮りを送り合う」

 うぅ~んすごい。産後クライシスの片鱗も見えない。ここまで完璧な可愛い奥様だと、ちょっと何も参考にならない。

「小さなケンカはしょっちゅう。大きなケンカをすると旦那さんは3~4日、家出する」
「(小さな不満は)いっぱいある。ゴミを捨てない、脱いだものがソファの隙間から出てくるとか。だから、溜めずに言います」

 など、トラブルもあるようだが、それでもお互いの好き度がまったく下がらないのでトラブルが深刻化しないのだろうか? 昨年8月に第二子を出産したばかりで、まもなく4歳になる長男の世話をしつつ、自撮りやLINEで些細な会話をする余裕があるミキティがすごい。筆者は正直、雑談のような内容を誰かに連絡するヒマがあったら、仮眠の時間にあてたいと思うほど疲れやすく、一人世話するだけで体力を消耗しているが、ミキティはアイドルとして揉まれてきたせいか、体力も精神力も並ではなさそう。また、子育てや夫との関係における発言もプロ意識が高くて、別次元の話のようだ。何度も言うがトーク内容で「真似したい!」「これは使えそう」みたいなワザやミキティなりの工夫は全然なく、自分の子育てに全く参考にならなかった。

 おそらくミキティは、共感系ママタレでも、憧れ系ママタレでもなく、あくまでもママアイドルなのだ。会場にいるママ達に同じママとしての顔を見せるべく敢えて失敗談やしんどい話をするのではなく、おしどり夫婦の妻であり元アイドルであるというイメージを崩さないようハッピーな話題に終始した。今回は司会の菅谷アナウンサーも子を持つ父親であり、彼の方が子育てにおける不満やあるあるネタを多く語りまくっていた。そっちに共感しそうになった。

 そんなミキティの一時間トークショーだったが、これまでのゲストと大きく異なったのは“手料理の写真をスクリーンに映し出さなかった”こと。料理についての話も出なかった。二児ともに離乳食の時期ではないからか? さらにもちろん、“3億円御殿”と呼ばれる(実際には3億円ではなく1億5000万円ほどであると当人らは語っているが)新居についての話も、この新居のローン返済のためにヨガインストラクターとしての資格を活かしてヨガスタジオ開設に動いている……という話も一切なし。トークは言葉に詰まることなくスラスラペラペラとこなれた感じだったが、何を話し、何を話さないかの線引きはあらかじめきっちり引かれていたような印象を受けた。さすがプロ。炎上のタネになりそうな事柄は議題にしない姿勢を徹底している。

 ブログでは頻度は低いが不定期に手料理の写真をUPしている。メニュー接写のスタイルが多いが、全体のレイアウトがわかる写真から察するに、盛りつけ・並べ方・食器のセンス等は可もなく不可もなく。料理本を出すレベルでもないし、フードコーディネートに興味があるわけでもなさそうだ。子供の弁当もキャラ弁とは程遠くサラリーマンの弁当のように地味であり、日々の食事も同様に、オシャレママ感を演出しようとしていない。そこが彼女の良いところなのだと思う。オシャレママとしての土俵に上がろうとしていないためか、藤本は料理写真で炎上したことがない。

 グループアイドル時代の様子から察するに、性格は気が強く負けず嫌いなタイプであろうが、ママタレというフィールドにおいては決してマウンティングに出ないのだ。私服も、ハイブランドよりプチプラ多めのコーデが圧倒的多数。ミキティは「オシャレ上手」とか「料理上手」とか、抜きん出た要素がなく、全体的に無難で、だからこそ安定して庶民向けママタレ枠に座していられるのかもしれない。ハッピーオーラはあるのに気取って見せない、このさじ加減。絶妙なバランス感覚で炎上を逃れ、スイスイと芸能界を泳いでいくミキティは、今でもやっぱりアイドル(偶像)なのだなと痛感した。
(ママイベントウォッチャー京子)

最終更新:2016/03/01 09:30
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