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ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第58回

カツ丼で天丼で日本そば? 北の大地の知られざる名物『バホそばドン丼?』ってナンだ!?

DSCN5643バホそばドン丼以外に怪しいメニューはないが、他人丼は関東ではあまり見ない。

 札幌駅から20分ほどのところにある琴似駅。その駅からさらに5分ほど歩いたところにある、ごく普通のおそば屋さんのメニューに、何がなんだかさっぱりわからない丼を発見した。その名も、

『バホそばドン丼』

である。

 東京生まれ東京育ちの筆者にとって、この名前の中で理解できるのは、“そば”と“丼”だけ。バホとドンに関しては、北海道の方言なのかどうかすら不明である。いや、そばと丼に関しても、内地ではひとつのメニューになることはまずない。普通、そばは「○○そば」であり、「丼」はごはんものを指すからだ。強いて言うなら「○○そば××丼セット」だろう。

 とりあえずその謎のメニューを頼むと、筆者とほぼ同時に入店した道民と思える隣のテーブルのカップルの男性も、「バホそばドン丼?」と、半疑問形で同じものを頼んでいた。

 ということは、地元民でも理解できないメニューということ。方言でも、その地域のソウルフードでもないメニュー、ますます気になってきた。

 店は外観も内部も、ご主人もその奥様と思える厨房の女性も、まったく普通である。その温厚そうな夫婦の仮面の下に、どんな策士の顔が隠れているというのか?

 ほどなくして着丼したメニューは、「なるほど、これがバホそばドン丼か!!」というようなインパクトは、ほぼなかった。

DSCN5617見かけは普通のカツ丼とお新香、お味噌汁のセットと思えたが……。

 それは、隣テーブルの男性も同じだったようで、とりたてて驚きの声も歓声も聞こえては来ない。パッと見、普通のカツ丼じゃないか。この街では、カツ丼を「バホ~」と呼ぶとしたら、そっちの方が驚きである。

 しかしよく見ると、筆者が知っているカツ丼には見かけない食材がチラッと見切れている。エビだ。ということは天丼か? いやいや、天丼にしてはエビが衣に包まってない。
 驚いたのは次の瞬間だった。カツとエビの間から見えていた不思議なものを箸でつまみ上げると、それが“そば”だったのだ。

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