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「ゴリ押しタレントは一人もいない」は真実か? 現場テレビマンの本音に迫ると……

「ゴリ押しタレントは一人もいない」は真実か? 現場テレビマンの本音に迫ると……の画像1イメージ画像(足成より)

 タレントの「ゴリ押し」についての議論が高まっている。先日、「東洋経済オンライン」でコンサルタントの木村隆志氏が、世間でバッシングされるタレントのゴリ押し現象について解説。「あの芸能人は本当にゴリ押しされているのか」(4月4日付記事)と題した記事で、芸能事務所が営業上「特定のタレントをプッシュする」のを当然とし、それは事務所が将来性や才能を感じてのものだとしている。また、起用が多いタレントは相応の努力もあるとして「バッシングを受けて当然のゴリ押しタレントは、一人もいません」とした。

 これに、ネット上では「チャンスがないと人は育たない」と理解を示す声もあったが、「事務所の力が大きすぎるのは問題」「同じタレントばかり起用されると拒否反応が出る」といった否定的な見方もあった。

 ゴリ押しについて意見が分かれる中で、業界歴24年のテレビマンに話を聞いてみると「どんな世界でもコネとかプッシュはあるわけで、スターを作って金儲けするのが仕事の芸能界だから、それが前面に出るのは当たり前。それこそ100%実力主義なのだったら、こっちの番組制作も楽です」と話す。

 このテレビマンは番組のキャスティングも担当しており、日ごろからゴリ押しに対する愚痴もなくはない。

「大手の芸能プロから押し付けられたタレントが力不足で、MCやスタッフのフォローが大変なことがある。そういうタレントは視聴率にもつながらないし、本音を言えば使いたくない。MCに話を振られても『そうですね』としか言えない女性タレントや、ボケを振っているのにツッコミができない芸人。そういうのは編集でカットされるから、視聴者は知らないだけで、こっちは苦労して番組を作っている」(同)

 当然、事務所サイドは木村氏の言うようにスターとしての将来性を感じてプッシュしているのだろうが、現場がその状況に必ずしも納得しているとは限らないわけだ。

 確かに、ドラマの視聴率を左右する主演クラスの配役がなぜか演技力の低いアイドルであったり、トーク番組でろくに面白いことを言えないのに、やたら呼ばれるタレントもいる。音楽番組では何年もヒットがないようなベテランや、どう見てもセールスの低い歌手が、なぜか出演回数を増やしている。いくら事務所が才能を見込んで起用したといっても、制作現場や視聴者は結果的に未熟な芸を見せられることになるわけだ。

 年末の『NHK紅白歌合戦』では、明らかな「ゴリ押し」があった。出演者発表の約半年前、夏の時点で出場の内定が密かに漏れてきた若手歌手がいた。大手事務所所属ながら、当時はほぼ無名。CDセールスも振るわないのに、情報番組やスポーツ紙にやたら取り上げられていたのである。ある情報番組では何度もPR出演があったが、当然、反響は薄いまま。このゴリ押し露出の多さで知名度だけは上がっていて、事前情報どおりに『紅白』出場が決まったのだが、まさに視聴者置いてきぼりの出来レースだった。

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