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「裸ローン」でついに自殺者が……追い詰められる女子大生たちの現実

「裸ローン」でついに自殺者が……追い詰められる女子大生たちの現実の画像1業者が如夢さんの両親に送りつけてきた、彼女のヌード写真。ピースサインをして写るその姿に、危機感は感じられない

 貸金業者が女性の融資希望者のヌード写真を担保に、高利で金を貸し付ける「裸ローン」について、これまで本サイトでもお伝えしてきたが、ついに自殺者が出てしまった。

 中国ポータルサイト「新浪」(4月17日付)によると今月11日、福建省アモイ市内のホテルの部屋で20代と思われる女性が遺体で発見された。地元警察によると、部屋は内鍵が掛けられており、密閉された状態で練炭が焚かれていたという。また彼女は死の数日前、父親宛てに自殺をほのめかす内容のメールを送信していたこともわかった。

 父親によると、死亡した如夢(ルーモン)さんは、市内にある華廈学院大学に通う、家族思いの優しい娘だったという。

 そんな彼女に最初の異変が見られたのは、今年2月のこと。父親は、如夢さんから「お金を貸してほしい」という内容のメールを受け取ったのだ。ネット上で見つけた貸金業者から借金をしてしまい、2万1,800元(約35万円)を返済しなければならないと話していたという。

 父親はすぐに送金し、事態は落ち着いたかに思えた。ところが4月5日、父親の携帯電話に、如夢さんのヌード写真が送りつけられてきたのだった。

 両親は如夢さんを実家に呼び出し、事情を聞いたところ、彼女は「借金の返済が滞ってしまったため、業者がこのような写真を送り付けたのだ」と説明。利息が法外で、いくら借金が残っているか、自分でも把握できないと話したという。

 しかし如夢さんは、「これ以上は迷惑をかけられない」と親からの援助を断り、アルバイトをして返済していくと告げた。両親にとって、これが娘と会った最後の日となってしまった。

 如夢さんの自殺後、両親が貸金業者に接触し、残りの返済金額を確認したところ、5万6,000元(約90万円)であることが判明した。如夢さんの自殺を受け、地元警察は違法な利 息を吹っかけていた疑いがあるとして、業者から話を聞いている。

 中国で広がる裸ローン問題について、 広東省地方紙の社会部記者はこう話す。

「裸ローン業者は、いまやネット上だけではなく、大学キャンパスの周辺に貼り紙をして、集客している。裸の写真を送るだけで即日融資が受けられるとあって、利息などの条件を確認せずに軽い気持ちで手を出してしまう女子大生が、その餌食となっている」

 如夢さんのような悲劇を繰り返さないためにも、抜本的な対策が急がれる。
(文=青山大樹)

最終更新:2017/04/22 14:00
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