日刊サイゾー トップ > 海外  > 「笑気ガス」で失神、半身不随も

15時間笑いっぱなしで失神、半身不随に至る例も……危険ドラックよりヤバイ「笑気ガス」

15時間笑いっぱなしで失神、半身不随に至る例も……危険ドラックよりヤバイ「笑気ガス」の画像1ネット上では、錠剤型の笑気ガスが普通に販売されている(新藍網より)

 手術時の緊張緩和などの目的で使用される「亜酸化窒素(笑気ガス)」の乱用が中国で広がっている件に関しては、過去に当サイトでもお伝えした
参照記事)が、最近は意識障害や体の麻痺などの症状を訴える若者が増加し、深刻な社会問題となりつつある。

「網易新聞」(8月17日付)によると、8月初旬、江蘇省蘇州市内の警察署に一件の通報が寄せられた。市内のホテルで若い男らが暴れだし、突然殴られたというのだ。警察は現場へ急行、暴れていた3人の男を確保した。

 男たちが宿泊していた部屋を捜査したところ、カプセル状の錠剤のようなものが100錠以上発見された。

 男たちは「笑気ガスが欧州でブームとなっていて、ハイになれるとネットで知り、興味を持った。オンラインショップで笑気ガスが詰められたカプセルを購入し、その後、ホテルの部屋で次々と吸い込んだ。すると、意識が朦朧として、手足がしびれてきた。次第に笑いが止まらなくなり、気づいたら15時間以上笑い続けていた。意識が飛んでいたので、ほかの宿泊客にぶつかったりしてしまったかもしれない」と供述しているという。

15時間笑いっぱなしで失神、半身不随に至る例も……危険ドラックよりヤバイ「笑気ガス」の画像2笑気ガスの影響で、半身不随となった中国人女子大生(楼主網より)

 さらに今年5月には、米国留学していた中国人女子大生が変わり果てた姿で帰国し、世間に衝撃を与えた。彼女は留学中に笑気ガスにハマってしまい、数日間絶食した状態でひたすら笑気ガスを吸引していたところ、意識不明の状態に陥り、失禁したまま現地の病院に緊急搬送されたのだ。一命は取りとめたものの、車椅子姿で帰国することとなってしまった。

 北京在住の日本人男性は、笑気ガスの流行についてこう話す。

「クラブのVIP席で、スプレー缶みたいなものから直接吸引している連中を見たことがあります。みんなやたらニヤニヤしていて、常連の友人いわく『笑気ガスだ』と。近年、薬物乱用に対しては厳しい取り締まりが行われている半面、笑気ガスを取り締まる法律はないらしく、ブームになっている」

 浙江省解毒治療研究センターは、最近行われた笑気ガスの動物実験で、笑気ガスを吸わせたマウスが2分30秒で死亡したというデータを発表している。これまで医療目的にも使用されてきた笑気ガスは、人体に比較的悪影響を及ぼしにくいとされてきたが、乱用されれば生命の危険もあるようだ。

 中国でひそかに広がる笑気ガス。その背景にあるのは、ガスでも吸わなければ笑えない社会ということなのだろうか?
(文=青山大樹)

最終更新:2017/09/02 14:00
ページ上部へ戻る
トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真