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プロ野球はテレビに殺されるのか?

 さんざん言われてきたことだが、地上波での巨人戦中継の視聴率低下が激しい。1999年には年間平均視聴率は、20.3%あったが、07年は9.8%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。放送された試合も、135試合から、81試合に減少している。今年は成績も好調で、リーグ優勝を果たしたにもかかわらずこの数字。4位に甘んじた昨年より、0.2%上がっているが、この数字は誤差のようなもの。つまりは、「ここ数年、巨人が弱かったから視聴率が稼げなかったのではなく、視聴者は巨人戦自体に興味を持たなくなった」ことが証明されたのだ。

ゴールデンタイムの“お荷物”的存在

 しかし、日本テレビの久保伸太郎社長は、10月29日の会見で巨人戦の視聴率のことを聞かれると、「去年や一昨年のどん底からは、改善の兆しがある。きっかけは、なんとかつかんだと思います。これをぜひ来シーズンにつなげていきたい」と前向きに語っている。だが、日本テレビの関係者は苦笑しつつ、「もちろん建前。常時優勝争いをして、放送試合数を昨年よりも20試合も絞ったのに、改善はほとんどなし。来年は、さらに試合数を減らすなどの大なたを振るわなくてはいけない」と語る。

 13~15%が最低合格ラインといわれているゴールデンタイムにあって、いまや巨人戦は10%を取れるかどうかという不良コンテンツだ。日本テレビのみならず、各キー局が、放送試合を減らしたり、放送時間を短くすることで、“被害”を最小限に食い止めようとしているが、在京球団を担当するスポーツ紙記者は、「そもそもこんな状況は、誰にとっても不幸なこと。特にプロ野球全体のことを考えるなら、即刻解消すべき」と苦言を呈する。

 確かに、瀕死の巨人戦をゴールデンタイムに流し続けている弊害は大きい。こうした巨人戦の視聴率の低さが、プロ野球全体の人気低下というイメージを生んでいるからだ。さらに、次頁で佐々木信也氏らが語っているように、巨人戦の視聴率のてこ入れとして、中継にタレントを呼ぶなどする余計な演出が、プロ野球本来の面白さを伝えにくくしているという矛盾まで生み出している。

「そもそも、巨人という球団自体に、魅力がなくなったんです。若手を育てず、金の力でスター選手を引き抜いてくる。挙げ句に渡邉恒雄という傲慢キャラに、お茶の間が拒絶反応を起こし始めたんでしょう。もはや、全国区で支持されるようなスター球団の条件がありません」(前出・記者)

凋落の巨人を尻目に地方球団は好調!?

 それでも各テレビ局は、巨人中心の放送体制を変えようとしない。球団のオーナーである読売新聞系列の日本テレビが巨人を見捨てられないのは無理もないが、他局も「いつか巨人人気が復活したときのための保険として、お付き合いの意味も込めて、読売から1試合6000〜7000万円もする放送権を買っている。それに50年以上放送してきた巨人戦をなくすということは、すぐには考えづらい」(テレビ局関係者)というのだ。

「そうはいっても、在京キー局は、巨人戦を放送すると、結果的に広告収入も低下する。要は赤字覚悟で放送しているのですが、そのために巨人戦以外の試合の放送権を買う資金を捻出できない。いまや巨人以外は、優勝争いをしていても地上波で放送されないのですから、一般人のプロ野球への興味はさらに弱まっていきますよ。テレビ局は、もう巨人離れをする時期なんです」(前出・記者)

 巨人戦の視聴率が下がったからといって、プロ野球全体の人気が下がったとは言い切れない。たとえば、日本ハムや楽天などは、本拠地を現在の地方都市に移してからは、地元テレビ局での試合中継の視聴率が8~10%を記録するなど悪くはない。また、今年の日本シリーズで優勝が決まった第5戦の視聴率を見ても、“巨人圏”の関東地区では12・7%にとどまったが、中日の地元・名古屋地区では27・2%、日本ハムの地元・札幌地区では25・3%を記録している。巨人を中心としたプロ野球構造は弱体化しているが、フランチャイズの優位性は生かされており、総体的に見れば、まだまだ堅実な基盤を保っているのである。

「加えて、CSやインターネットでプロ野球中継をチェックしている人を考えれば、ファンが極端に減ったということは考えにくい。一昔前には当たり前だった一家揃って夕食時に巨人戦を見るというスタイルが変化してきたわけで、それについていけていないのがキー局なんです。特に人口の3分の1が集中する関東地区が巨人戦の主要マーケットですが、この地域は市民のライフスタイルの変化が激しいので、今までと同じことをしていては視聴者は離れていく一方でしょう」(テレビ雑誌編集者)

 巨人と共にプロ野球を心中させないためにも、テレビ局と球団側は一緒になって、新たなプロ野球の形を提示していかなければならないだろう。
(青木寛二/「サイゾー」12月号より)

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最終更新:2013/02/12 11:36
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