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EXILE・ATSUSHIも巻き込んだ詐欺映画『純愛』の手口【前編】

20080204_junai.jpg『純愛』のヒロイン兼総指揮の小林桂子氏

 2007年8月、東京・銀座で『純愛』という映画が封切られた。主演・総指揮は小林桂子氏(推定43歳)。とくだん実績のない自称「女優」の単館上映作品に、4週間でのべ6,266人の観客が足を運んだ。

 その舞台挨拶に姿を現したのが、EXILEのヴォーカル・ATSUSHIだ。

 ATSUSHIは『純愛』に主題歌『INORI』を無償提供し、小林氏とともに制作発表の記者会見も行なった。さらに、ファンを集めたイベントで『純愛』の宣伝をするなど、完全な広告塔となっていた。


 『純愛』は、興行収益の一部を「NPO法人小林桂子基金」(代表理事・小林桂子氏)に寄付し中国に学校を建設するチャリティー映画とのふれこみ。本来ならATSUSHIの参加は、有名アーティストによるチャリティー活動という美談になるはずだった。EXILEの所属レコード会社・エイベックスや所属事務所・LDHも、当初はこれを容認し、むしろ映画宣伝に協力していたほどだ。

主演女優が代表の「NPO法人」は偽装団体

 ところが『純愛』東京興行の終了から約1ヶ月後。一転してエイベックスとLDHは、『純愛』製作実行委員会(委員長・奥山省吾氏)に対して主題歌の使用中止を申し入れる。『純愛』は翌08年1月に札幌興行を控えていたが、ポスターやチラシからは「ATSUSHI」「EXILE」の名が消え、『純愛』の主題曲は中国人音楽監督によるテーマ曲に差し替えられてしまう。

 トラブルの原因は、ごく単純。『純愛』が寄付先としていた「NPO法人小林桂子基金」が、実はNPO法人の認証も法人格ももたない偽装団体だったからだ。彼らはエイベックなどに対してニセの登記謄本などを見せて信用させていたのだが、そのことがエイベックスにバレてしまった、というわけだ。

 しかしこの時点では、トラブルは全て水面下で処理されていた。それをいいことに『純愛』関係者は、その後もほかの協賛企業や観客、EXILEファンを騙し続ける。

ATSUSHIと『純愛』と自己啓発セミナー

 実はこの映画、主演・総指揮の小林桂子氏、製作実行委員長の奥山省吾氏(小林氏の事実上の夫)など主要な企画スタッフの大半が、ARCインターナショナル(2000年に解散)やその分派であるETLジャパンといった自己啓発セミナーの卒業生。同じくARC卒業生のマルチ商法関係者の手を借りて、ARC・ETLの両セミナー生たちに「収益で中国に学校を作る」とふれ回り、2003年からの1年足らずの間に「1口100万円」で計1億円もの製作資金をかき集めた。

 ARCやETLは、ともに3コース合計30~40万円の受講料を取る個人向けセミナー会社で、1990年代に「洗脳セミナー」「人格改造セミナー」などと騒がれたセミナーと同様のものだ。

 『純愛』関係者はこの映画企画をしきりに「市民プロジェクト」と喧伝しているが、実際には自己啓発セミナーのサークル活動的なものにすぎない。記者も実際に作品を観たが、内容は「レベルの低い自主制作映画」といった程度。配給会社もついておらず、奥山氏が経営する化粧品・美容関連のイベント会社を名目上の「配給・宣伝会社」に仕立て上げた。

 なぜEXILEのATSUSHIが、こんな映画の広告塔を務めたのか。これまた理由は単純で、ATSUSHIもまたETLセミナーの卒業生だからだ。製作資金1億円のうち1000万円を出資しているとの情報まである。
(藤倉善郎/後編につづく

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最終更新:2008/02/05 17:19
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