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“夢とロマン”を追及して一攫千金 今、「財宝引き揚げビジネス」が熱い!?【3】

chinbotsusen.jpgダイバーが抱えているのは、一見単なる
岩に見えるが、実際には17世紀に沈んだス
ペインの貿易船「consolacion」の近くか
ら見つかった銅の塊だという。そのほか、
同船からは、金貨や銀貨、馬蹄、青銅製
の用具などが発見されたという。
(写真提供/RST社)

 【1】【2】の記事でもお伝えした通り、お宝が眠ってるであろう沈没船の引き揚げにかかる費用は状況に応じてさまざまだ。船舶保険を取り扱う都内損保会社によれば「500トン級の貨物船を引き揚げる場合、3人のダイバーが2週間かけて調査し、クレーンで引き揚げたとして3000万円程度が目安」という。ただしこれは、場所が確定している商船を単純に引き揚げるだけの費用だ。大昔の”宝船”を引き揚げるトレジャー・ハンティングとなれば、事情は複雑だ。

 UNESCO(国際連合教育科学文化機関)によれば、現在、世界中に沈む未発見の難破船は約300万隻もあるという。中でもスペインのガリオン船(大型帆船)やポルトガルの貿易船は大西洋アゾレス諸島沖の海底に、また、カリブ海には新大陸を目指して座礁した大航海時代の商船が多く沈んでいる。そしてこれらの海域が、まさにトレジャーハンティングのメッカとなっているのだ。

 サルベージ・ビジネスでは、こうした多くの沈没船の中から、引き揚げに見合う案件を正確に選び出して見つけ出すスキルが必要になる。それには膨大な考古学資料とそれを理解する専門家が不可欠となり、彼らに支払われる報酬も当然ながら高額となる。他国の領海で作業する上での権利取得や、調査および実際の引き揚げ作業に使う最新機器のリース料も億単位だ。

 国内のサルベージ会社「RST」が現在進行中のフロリダ州ケープカナベラル沖およびバハマ領内海域の引き揚げ現場では、今後6カ月程度で順調に作業を終えたと仮定した場合にかかる全作業費用は最低でも5億円超。07年に行われ、史上最大規模となる20兆円相当の財宝が発見された「南海一号」の引き揚げでは、中国政府が約46億円もの国費を費やしている。

 先立つものは億単位の軍資金。その調達方法はさまざまだ。投資顧問会社を通じ、ワラント債などを発行して機関投資家から市場調達するのが一般的と見られるが、詳細を明らかにしていない企業も少なくない。

 一匹狼のトレジャーハンターたちは独自に資金を調達する以外なく、家財を処分したりして背水の陣で挑む場合がほとんど。85年にスペインの貿易船「アトーチャ号」を発見し、700億円の財宝を引き揚げたトレジャーハンター、メル・フィッシャーは、当時20億円近い借金を抱えていたという。

 一方、RST社では「文化遺産サルベージファンド」を創設して、引き揚げ事業を証券化し、法人や一般投資家を対象に一口50万円からの出資を募る形を取っている。引き揚げられた財宝の売却により得られた利益が配当の原資となる仕組みだ。出資者の内訳は「匿名組合形式」のため非公開だが、企業や団体より一般投資家の割合が多い。仮に5億円の資金すべてを個人投資家から二口100万円で集めるとすると、単純計算で500人の投資家が必要だ。一般に馴染みの薄いイメージがある「沈没船の引き揚げ」事業。それほど多くの一般人が投資するものなのか。RST社の山本健二社長に実情を聞いてみた。

「意外に思う人も多いかもしれませんが、金融先物市場に一般の主婦が多く参加していることからもわかる通り、この種の金融商品の需要は常に一定量存在します。弊社のファンドもビジネスマンや主婦層など、小口の一般投資家の方々が多く購入されています」

 事実、国内外を問わず、無登録業者らが虚偽の投資話で多額の資金を集める詐欺事件も過去に発生しており、それらの被害者は多くが個人投資家。その点から見ても市場の存在はうかがい知れる。

「悪質な業者と一線を画すため、コンプライアンスは必要です。ファンドで資金調達をし、事業に投資するためには、必ず金融庁に申請して第二種金融商品取引業の登録が必要となりますし、弊社も登録しています」(山本社長)
【4】につづく/文=浮島さとし/「サイゾー」7月号より)

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最終更新:2009/06/22 15:27
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