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「手書きの遅延証明書を発見」2007F1日本GP訴訟・資料開示

fsw_main.jpg暗雲立ち込めるFSWで資料開示は行われた

 2007年9月に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリのずさんな運営により、「劣悪な環境の中、長時間のバス待ちを余儀なくされ、精神的苦痛を受けた」として観客109名が富士スピードウェイ(以下、FSW)に対し損害賠償を求めた裁判で、原告団が被告富士スピードウェイ本社にて資料開示を受けた。これは原告が文書提出命令を申し立てたが、その文書が多岐に渡ったため裁判所が資料開示を勧告したのを、富士スピードウェイ側が受け入れて行われた。今回はその模様を原告の一人に聞いてみた。

今までの訴訟の経過はこちらから

――資料開示はいつ、どこで行われたのですか?

原告 平日、富士スピードウェイの営業時間に行われました。場所は富士スピードウェイの敷地内のイベントフロアのような広い場所です。

――資料はどれくらいあったのですか?

原告 ざっと80冊程度はあったのではないでしょうか。ただ本件2007年F1日本グランプリだけではなく、翌年2008年度の資料も含まれています。

――どういった手順で資料を閲覧したのですか?

原告 資料は2007年度、2008年度が混じった状態で雑然と並べられており、まずはどんな資料があるか、すべてリスト化することから着手しました。その後原告、弁護士で手分けをして内容を確認、必要な資料は全部、または一部をコピーするといった手順です。ただ資料が膨大で、なおかつ系統だっていないためにどこから手をつけていいのか、多少混乱しました。時間は限られていますし、コピー機も白黒ならまだしも、カラーコピーや両面コピーはかなり時間がかかります。またソーターが使えれば高速でできますが、綴じられた資料だと 1ページ毎に行う必要があってかなり手間がかかりました。

――コピー機を使わせてくれるなんて、富士スピードウェイも協力的ですね。

原告 いいえ、コピー機は富士スピードウェイのものではなくレンタルで、原告で費用負担しています。

――資料開示で何か新しい事実は分かりましたか?

原告 まず85名に払い戻しを行う際に配ったという「遅延証明書」のコピーではないかと思われるものを見つけました。ただこれが本当に「遅延証明書」と手書きでかかれたもので、なんというか、ニセモノっぽいというか……サインも印鑑もなにもなく、誰でも作れるというレベルでした。

――それが本物だとしても信用しにくいですね。他には何か見つかりましたか?

原告 いいえ、逆に私たちが必要とした重要な資料がほとんど見つからないのです。

――それはどういうことですか?

原告 例えば陥没事故のあったバス誘導路ですが、被告は陥没箇所について「アスファルト舗装を行った」「陥没の原因は大雨が降ったため」と頑なに主張しているのですが、その箇所だけ舗装をしたという工事記録、資料がないのです。その部分以外の工事資料は出てきているのですが。

――それは被告が意図的に隠したということですか?

原告 これは被告に確認したのですが、どうやら隠している風ではなく本当に資料がないようなのです。

――前回の期日で、裁判長から被告に陥没事故の起きた場所の舗装工事の資料を提出するよう求められていますが、実際には資料、記録がなかったということですね。

原告 被告が隠してなければ、そうなります。

――これはますます計画が杜撰というか、裁判も杜撰ですね。他にはどんなことがありましたか?

原告 今コピーした資料を精査している最中ですが、ひとつ言えるのは2008年の資料がとても多くきめ細かいことです。細部に至るまできちんと計画、直前まで更新が続けられており、内容も充実していました。それに比べると2007年の資料はかなり見劣りします。最初から2008年のレベルで計画、実行されていたらと残念でなりません。

――やはり2007年は計画が杜撰だったということですね。

原告 資料の内容を比較してもそのように言えるでしょう。今後具体的な資料に基づいて、立証していく予定です。

――トヨタが富士スピードウェイでのF1開催を撤退するというニュースがありましたが、それについてはどう思われますか?

原告 富士スピードウェイの撤退発表は自分たちの事情ばかりで、ファン、観客への配慮がありません。2007年のずさんな運営をうやむやにし、とるべき責任を放置して採算がとれないから撤退とは無責任にもほどがあります。F1開催撤退をするのであれば、まず観客が被った被害について、きちんと責任をとるのが企業の責任です。

 一部で私たちが裁判を起こしたことがF1開催撤退の原因になっているという批判もありますが、私たちは違うと考えています。トヨタが採算をとることにこだわり、14万人という多くの観客を集めたにも関わらずコストダウンを優先、簡易トイレは十分に用意しない、スタッフの数を直前に減らす、シャトルバス運営は下請けに丸投げ、C席仮設スタンドの設計ミスは当日まで分からないなど明らかに計画・運営が破綻しています。さらに観客をジャストインタイムで輸送する部品と同じように考え、非人道的な扱いをした上に責任を観客に転嫁するなど言語道断です。

 2008年は観客数を11万人と絞込み、場内を改修、バスも増やして無事に終わりました。しかしこれで採算がとれないというのであれば、それはそもそも富士スピードウェイでF1といった世界的大規模モータースポーツイベントを行う計画に無理があったというだけの話で、富士スピードウェイを買収したトヨタの見通しが甘かったと言わざるを得ません。

 元々富士スピードウェイの立地をよく知る人の間では、F1開催は無理という声が上がっていましたがそれを無視したツケです。ツケを観客に払わせようなんて、虫がよすぎます。それに裁判沙汰になるまで、真剣にカイゼンしようと考えたかも怪しいものです。口先だけ謝って、2008年ももう一度同じ間違いを繰り返した可能性だってあるのです。そう考えると私たちの行動は間違っていなかったと信じています。

採算がとれないという理由だけで撤退するのであれば、そもそもF1をどのようにとらえていたかも伺いしれます。モータースポーツは文化であり伝統の側面もあります。それをビジネスという観点でしか見られないというのであれば、お里が知れるということではないでしょうか。

――どうもありがとうございました。

 * * *

 それにしても肝心の資料がなかったというのは、一体どういうことだろうか。隠しているのか、それとも本当になく、計画が杜撰だったことを示しているのか。いずれにしても今回の資料開示を受け、裁判戦は新局面を迎えそうだ。

 一次訴訟の次回弁論は7月16日、二次訴訟の次回弁論は7月31日に東京地裁で行われる予定。

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最終更新:2009/07/15 14:25
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