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「億単位の損害も!?」宇多田ヒカル、中島美嘉……Jポップ界から「歌姫」が消える裏事情

mikanakashima.jpg『STAR』(SMAR)

 今年に入ってから、Jポップ界を代表する「歌姫」の活動休止が相次いでいる。

 10月21日、中島美嘉が持病の耳管開放症が「納得できる歌が歌えないほど悪化した」として活動休止を発表し、音楽業界に衝撃が走った。

 デビュー10周年を記念して、今月30~31日に大阪城ホール、11月5~6日に日本武道館で行われる予定だったライヴも中止が決定。あるレコード会社関係者によれば、「会場のキャンセル費、チケットの払い戻しも含め、現段階で億単位の損害が予想される」という。

 ベテランの大黒摩季も、11月から子宮疾患の治療に専念するため、歌手活動の休止を決めた。大黒は自身のファンクラブサイトで、体外受精を行っていたこと、ハードワークがたたり流産を繰り返していたことを明かしている。

 このように、女性シンガーが持病の悪化から活動休止に追い込まれるケースが増えている背景を、ある音楽プロダクション関係者はこう分析する。

「CDが売れない今、幅広いリスナーに支持され、固定ファンを抱える女性シンガーはまさに音楽業界の”ドル箱”。それゆえスケジュールは過密になり、売り上げへのプレッシャーも大きくなっています。心身ともに疲れ果て、多くの女性シンガーが生理不順など体調不良を訴えていますが、1年以上先までのリリーススケジュールが決まっていれば、休みたくても休めないんです」

 アーティスト志向の高まりから、大して得意でもない作詞を求められたり、年に一度の全国ツアーが当たり前になったり――「男の体力でも耐えきれない」ほどのハードワークが常態化しているというのだ。

 病気療養でなければ、大塚愛のように結婚・妊娠を発表するなど、やむにやまれぬ理由によってしか休養を取ることができない。そんな中で、8月には宇多田ヒカルが、「人間活動に専念する」という不可解な理由で無期限の活動休止を宣言したが、彼女のハードワークとプレッシャーを考えれば、単純に「休みたい」とは言えない苦悩が伝わってくる。

 前出のプロダクション関係者によれば、「西野カナ、JUJUなど、携帯ダウンロードをきっかけにヒットを飛ばした新たな歌姫たちにも、過労による体調不安説がささやかれている」という。女性シンガーに「活動休止予備軍」にあふれている現状。このままの状況が続けば、日本から歌姫が消える日が来るかもしれない。
(文=村西里志)

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最終更新:2010/10/23 08:00
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