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今年も続く「東京都青少年健全育成条例」騒動

18禁ロリマンガはどう使われた? 東京都青少年課が行った情報隠蔽工作とは

hiruma0119.jpg東京都青少年・治安対策本部公式サイトより

 昨年末、全国のマンガ・アニメファンを恐怖に陥れた東京都のマンガ規制条例こと「東京都青少年健全育成条例」改定案をめぐる騒動。改定案が成立したことで、騒動も一段落したかと思いきや、改定案の施行はこれからで、まさに「俺たちの本当の戦いはこれからだ」と言うべき状況だ。そうした中で、東京都の新たな情報隠蔽工作が明らかになった。

 昨年6月、最初の条例案改定が否決されてから、都青少年課は都内各地のPTA・保護者団体・自主防犯組織などに出向き、条例改定の意義を理解してもらうための説明会を開催した。その回数は80回余り。12月に改定案が可決した最大の理由である民主党が賛成に鞍替えした背景には、このことが大きかったとされる。民主党の一部議員は、PTAなどの支持者から「エロ議員」と非難されることを恐れたのだ。この点で、都青少年課の目論見は成功したと言えるだろう。

 問題は、PTAなどに対して都青少年課からどのような説明が行われたかということ。これまでブログやTwitterなどで漏れ聞こえている情報では、18禁マークのついた成年雑誌などを示し、あたかもこうした本が野放しになっているかのような説明が行われたとされていたが、確証を得ることはできなかった。

 そこで、筆者は東京都に対して説明の際に使用した雑誌・書籍をすべて公開するよう情報公開請求を行った。

 実は、昨年12月の改定案審議中にも民主党の松下玲子議員は非公式の打ち合わせで都青少年課の櫻井美香課長に対して、使用した雑誌・書籍のタイトルを明らかに示すよう求めていたのだが「その都度、誰が、どの本を使って説明したか明らかでない」と、櫻井課長は返答していた。そのため、どこまで公開するかまったく期待はしていなかった。

 結論から言うと、公開されたのは表示図書(最初から出版社が18禁マークをつけたもの)と指定図書(都の審議会で不健全図書指定されたもの)が一冊ずつである。表示図書は、「コミックエルオー(LO)」(2010年5月号、茜新社)、指定図書は尾崎晶氏の『人妻爆乳アナウンサー由里子さん』(10年2月、双葉社)である。そして、表示図書・指定図書以外のもの、すなわち新たな条例で都が規制したいと考えているものは、一切が非公開とされてしまった。

 正直、理解に苦しむ。「LO」は既に自主規制されており、書店で子どもの手に届くところには絶対に置かれていない。また、『人妻~』も現在の条例で規制されているものだ。つまり、これらを用いたということは、ブログやTwitterなどで喧伝されている「こんな酷いマンガがある」と誤解を招くような説明を行っていたという噂を裏付けることになる(そもそも、どのような説明が行われたかも、ほとんど明らかにはなっていない)。

 さらに、表示図書・表示図書以外のものがすべて非公開にされた理由も不明確だ。非公開の理由として示されたのは「当該と書類が不健全図書類の指定の疑いがあると判断され、出版社に不利益を生じさせる」「公開することにより、不健全図書類の指定に関する業務の効果的遂行を不当に阻害するおそれがある」の二つだ。

 とは言っても、PTAなどには見せているわけで、説明会を80回開催して一回あたり5人しか来なかったとしても400人。なぜ彼らには見せて、都民に広く公開することができないのか、理解に苦しむ。

 PTAへの説明会に関しては、条例反対運動に反対する人物が情報公開請求した説明会を行った先の団体名もすべて非公開となっており、何が説明されたかを必死に隠そうとしているとしか思えない。

 そもそも、表示図書・指定図書の公開が一冊ずつだけなのもおかしいと思い、「これだけですか?」と問いただしたところ「明らかなのは、これだけですね」と、都青少年課の小宮山みき係長は返答。この説明会の模様が描かれたブログ(http://hirometai.blog.so-net.ne.jp/2010-08-24-2)では、小宮青少年対策課連絡調整課長が説明を行っている写真が掲載されており、見たところ5冊はあるのだが?

 いずれにせよ、改定された都条例の施行を前に情報を明らかにしない都の態度は自らの首を絞めているとしか思えない。自らの改定案に正当性があると思うなら、堂々と公開すべきだろう。それとも、このままのらりくらりと騒ぎが治まるのを、じっと待っているのだろうか……。
(取材・文=昼間たかし@『マンガ論争4』も絶賛発売中)

マンガ論争4

ふむ。

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最終更新:2011/01/19 15:00
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