日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 「再評価される歌の力」震災で浮き彫りになった”演歌の強み”とは

「再評価される歌の力」震災で浮き彫りになった”演歌の強み”とは

msaosen.jpg『千昌夫全曲集~感謝!45周年』
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

 甚大な被害を及ぼした東日本大震災。被災地では歌手の避難所慰問が続いているが、レコード会社によって明暗がくっきり分かれる事態になっている。意外にも光が当たったのは人気低迷が叫ばれる演歌界だ。

 一時は演歌には「波」「海」「別れ」など、震災の悲しみを増幅させるようなフレーズが度々登場することから、テレビ、ラジオでは”NGリスト”を作成する局もあったほど。例えば『NHKのど自慢』に出演した細川たかしは、北の海をイメージさせる最新曲「北岬」を歌えず。「海が割れるのよ~」で知られる天童よしみに至っては「珍島物語」は今後5年以上歌えないと言われている。

 だが、代表曲が歌えないだけで、被災地では演歌歌手は大人気だ。

「やはり避難所にお年寄りが多いことが大きい。岩手県の陸前高田市出身の千昌夫が地元を訪問した時は、感動で涙する人もいたほど。最近メディアへの露出が減っていた千ですが、震災を機に代表曲の『北国の春』にも注目が集まり、すでに暮れの『NHK紅白歌合戦』に内定したとも言われています。同じく更年期障害で露出の減っていた森昌子も被災地では大人気だった。このほか水前寺清子の『三百六十五歩のマーチ』を復興ソングに推す声もある」(音楽関係者)

 一方で苦戦を強いられているのが、浜崎あゆみや倖田來未、EXILEなど若手アーティストが数多く所属するエイベックスだ。テレビ関係者は「若者人気はすごいですが、避難所にいるお年寄りにはまったく響かない。やはりこういった事態になると、”歌”というものといかに真剣に向き合ってきたかということが問われるんでしょう。イメージ戦略による一時的な人気やセールスの数字ばかりに傾倒してきたエイベックスが受け入れられないのは当然ですよ」と語る。

 さらに、同社の”核”と言うべき宣伝部が震災により壊滅状態という。

「エイベックスがここまで大きくなった背景には、マスコミとの蜜月関係がある。しかし、今は各社とも震災に絡めた話でないと記事を大きくしない傾向にあり、新人を売り出そうにもスペースがないという現象が起きている。宣伝部の社員は泣いていましたよ」(スポーツ紙デスク)

 現在、同社の宣伝部は電話ではなく自らの足でマスコミ各社を回り、紙面掲載のお願いをしているというが……。震災は音楽業界の勢力図も塗り替えることになりそうだ。

千昌夫全曲集~感謝!45周年

日本のソウルミュージックですから。

amazon_associate_logo.jpg

最終更新:2013/09/13 19:18
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真