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週刊アニメ時評 第18回

「求められるのは声優ソングばかり……」表舞台を追われたアニソン歌手の現在

animerosama12.jpg「Animelo Summer Live」公式サイトより

 アニメファン、アニメソングファンにはお待ちかねの8月がやってきた。今年も例年通り、毎週のように全国各地でアニソン系のイベントやライブが行われる予定だ。中でもとくに注目を集めているのが、埼玉県のさいたまスーパーアリーナにて2日間にわたって開催される日本最大のアニソンフェス「Animelo Summer Live 2012」(アニサマ)だが、今年は“声優フェス”と揶揄されるほど、そのラインナップは声優で占められていることは既報の通り(※記事参照)。

 もう一つの目玉イベントが、8月3日から5日かけて大阪で開催される「nonstop アニソントレイン 祭 2012 in 大阪」である。こちらは、徹底的にアニソン歌手にこだわったラインナップとなっており、アニソン原理主義なファンからは「こちらのほうがアニソンフェスとしては正しいのではないか」という意見も飛び出している一方、「人が来るのか?」「ガラガラじゃね?」と集客を不安視する声もネット上では上がっている。その答えは「アニソントレイン」が終わってみないとなんとも言えないところではあるが、実際のところ、現代はアニソン歌手にとって非常に厳しい時代のようだ。

「最近のアニソンは、タイアップ曲か声優ソングが大半で、アニソン歌手の出番はますます減ってきています」

 このように語るのは、アニソン業界に携わるA氏だ。A氏もまた、楽曲制作やコーラスなど、多くのアニソンに関わっている人物だが、年を追うごとにアニソンシンガーの現場は減っていく一方だという。

「今はアイドルが求められる時代ですからね。職人気質の裏方的存在であるアニソン歌手よりも、アイドル性の強い声優のほうがお金になるんでしょう」

 では、仕事の場を奪われたアニソン歌手は、どこで活動しているのだろうか?

「仕事がないアニソン歌手は、イメージソングを集めたアルバムに参加したり、小さいライブハウスでファン向けのイベントを自主企画したりと、地道な活動を数多くこなしていますね。曲や詞を書ける人は、作家としてアニソンに携わったり、地下アイドルのプロデュースをするなど、裏方として活躍していることも少なくないです。あとは表のメディアで活躍する名前とは別の名義を使ったりして、パソコンのアダルトゲームの主題歌を歌う人もいますね」

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