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「アイドル文化は歌舞伎に並ぶ日本の芸術となった!」111組732名参加のアイドルフェス・TIFを検証

 そして、女性だけの客グループやカップルも1回目よりは明らかに多く訪れており、音楽フェスを『モテキ』感覚で見に行く若者世代がアイドルシーンにも多く増えた印象だ。

■lyrical schoolの“サイファー”とAeLL.の看板に見た、ファンとアイドルの共同幻想

 生モノであるフェスには、さまざまなハプニングが発生する。今回最も大きなアクシデントだったのが、4日の夜、Jewel Kissのライブ中、ファンの勢いにステージが壊れてしまったこと。さまざまな悪条件が重なった上での出来事だったが、そのため、後に予定されていた6組が出演できなくなった。

 そこで、ヒップホップアイドル・lyrical schoolが半ばやけくそ気味に、会場周辺を歩きながら、アカペラで自分たちの曲を歌い始めた。すると、その行進にファンも同調し、ついていき、その流れは“サイファー”となっていった。ラッパーが路上でセッションを行う際に自然発生的にできる人だかりを意味する“サイファー”だが、まさにハンドクラップと声さえあれば表現できるラップならではのファンとの共同幻想が生まれた。tengal6から改名した彼女たちの物語も含めて、“TIF伝説”に刻まれる出来事だっただろう。

 もう一つ、今回ファンとメンバーの絆を感じたグループがあった。それは、篠崎愛が参加するAeLL.のステージだった。AeLL.には「耕せ耕せAeLL.村 みんなでがんばるえいえいAeLL.!」など特殊なコールがあり、一緒に盛り上がれば楽しいものの、初見のファンにはコールを即覚えるのは難しい。そこで、ファンの有志がそのコールを書いた看板を、コールの際だけ掲げるのだ。決してステージにはカブらないように、そしてコールが終われば即それを下げ、当然マナーは遵守している。初めて見たファンもコールができるように、重い看板を持参してステージを盛り上げた彼の行為には、一種の忠義すら感じられた。古参のファンは、グループが過度にブレイクするのを嫌がるものだが、新規のファン層をまさに“耕す”かのような思いの現れだろう。

 アイドルはアーティストと比較して未完成である。その未完成な部分にファンが握手会でアドバイスし、コールを送り、ステージを盛り上げることで、完成する。そんなアイドルとファンとの共同幻想を垣間見たのだった。

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