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出版社の信用が完全崩壊! 太田出版が『完全自殺マニュアル』スラップ訴訟で返り討ちに

jisatuma.jpg左が社会評論社の『完全自殺マニア』、右が太田出版の『完全自殺マニュアル』

 太田出版といえば、サブカルチャー系の有名出版社。これまで、数々のパロディ本や著作権に関する書籍を出版しているこの会社が自社の本のパロディを許容せず「著作権侵害だ!」と裁判所に駆け込んだ挙げ句に、完敗する騒動が起こった。

 争点となったのは、今年5月に社会評論社から出版された『完全自殺マニア』(著:相田くひを)。サブカル系編集者として名を轟かせる濱崎誉史朗氏が企画・編集したこの本の素晴らしさは以前、当サイトでも取り上げた通り(https://www.cyzo.com/2012/06/post_10880.html)。悪趣味とはいえ、よくできたパロディのはず。それを、よりにもよってパロディ本で儲けてきた出版社が訴えるという異常事態を追った。

■話し合いもなしに、突如内容証明がやってきた

 『完全自殺マニア』に対して、太田出版から最初のアクションがあったのは、刊行間もない今年5月中旬のことだ。『完全自殺マニア』の著者・相田氏は、1999年に太田出版から『薬ミシュラン2』を出版した経歴がある。この時の担当編集者が、現・代表取締役社長の岡聡氏であった。相田氏は、岡氏から『薬ミシュラン』の続編を出そうという話を持ちかけられていたが、形にできないまま歳月が流れていた。そのことを申し訳ないと思っていた相田氏が、挨拶状をつけて『完全自殺マニア』を献本したのが事の始まりである。

 担当編集の濱崎氏は、抗議の経緯を語る。

「送った翌日に、相田さん宛に太田出版から抗議文が届きました。さらに、その翌日には虎ノ門総合法律事務所(日本でも指折りの著作権に強い弁護士事務所である)から社会評論社宛に、不正競争防止法を根拠に絶版断裁を求める内容証明が届いたんです」

 すわ一大事と思うところだが、濱崎氏はそのまま「放置していた」という。すると、1週間を過ぎた頃に、今度は絶版断裁を取り下げて「著作権法違反なので、カバーを取り替えるよう」要求する内容証明が届いたという。

「どうも、チーズ本対バター本事件の件を踏まえて、不正競争防止法だと勝てないと踏んだのではないか」

というのが、濱崎氏の読みだ。この2度目の内容証明にも濱崎氏は無視を決め込んだ。すると、10日後、今度は東京地裁から連絡がきた。太田出版が起こした頒布差し止め仮処分申立に対して、話を聞きたいというものだ。

「世間の太田出版に対するイメージとは真逆のことでしょう。仮にもサブカルチャーをやっている出版社が、いきなり国家権力に頼るなんて……」(濱崎氏)

■「思いつき」「レベルの低い編集」と主張する太田出版

 こうして東京地裁を舞台に、双方は意見を戦わせることになった。当初、濱崎氏は「過激だけどパロディの範疇」と主張したが、太田出版側は認めなかった。さらに、太田出版の岡社長は、虎ノ門総合法律事務所経由で極めて攻撃的な「意見書」まで送付してきたのだ。

 この中で岡社長は、差し止め請求を取った理由として「編集レベル、志が低すぎるということにつきます。これほど出版ということを軽く考えた事例に遭遇したことはありません」と主張。さらに「原稿を本にする段階で編集者の思いつきで世間的に認知度のある『完全自殺マニュアル』のデザインのみを模したというにすぎない」として「『完全自殺マニア』はパロディになっていない」というのだ。

 この「意見書」は、後半になり、さらにヒートアップする。少々長くなるが引用してみよう。

「批評性などかけらもなく編集者の思いつきというレベルでデザインを模した『完全自殺マニア』をめぐる編集姿勢は、出版をなめているとしか思えません。自殺した人をも侮辱したものですし、ひいては『完全自殺マニア』の著者・相田くひを氏をもばかにした行為であると考えます。パロディというならば、もっと根性を据えて切り込むべきです。今回の最大の被害者は『完全自殺マニア』の著者自身かもしれません。相当の時間・労力をついやして書き上げたオリジナリティのある原稿を、編集者の『おふざけ』レベルで『完全自殺マニュアル』の亜流のようなものにされたのですから。このようなレベルの低い編集が何か冴えた思いつきであるかのような勘違いを見過ごすとこはできません」

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