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不況下での巨額買収は渡りに船だった

ソフトバンクのスプリント買収 裏で動いたみずほコーポ銀

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ソフトバンクのスプリント買収 裏で動いたみずほコーポ銀 – Business Journal(11月15日)

post_1014.jpg借金して、借金だらけの企業を買う。
(「スプリント・ネクステルHP」より)

 10月23日に発表された、ソフトバンクが米国の携帯電話会社スプリント・ネクステル・コーポレーション(以下「スプリント」)を子会社化するというビッグニュースを覚えている方も多いだろう。

 この約1兆6000億円という巨額の資金が必要な買収劇を、資金面から支えるのがみずほコーポレート銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ドイツ銀行東京支店だ。この買収は、ソフトバンクがスプリントの事業に対して約201億ドル(約1兆5709億円)の投資を行う。投資総額のうち約121億ドル(約9469億円)は、スプリントの株主に支払われ、80億ドル(約6240億円)はスプリントの財務体質の強化等に投じられる。

 ソフトバンクは完全親会社となる新スプリントの株式の約70%を保有することになる。

 この買収のための資金は、ソフトバンクが保有する手元資金および、先述の4行がアレンジし、引受を合意した新規のブリッジローンにより充当される。

 その資金の融資比率は、みずほコーポレート銀、三井住友銀、三菱UFJ銀、ドイツ銀の順に融資額が違っている。「ドイツ銀の融資額はみずほコーポ銀よりも1ケタ少ない。ドイツ銀の参加は付き合い程度のもの」(関係者)だという。

 この買収劇の資金面でのアレンジの中心を担ったのは、みずほコーポ銀だ。当然、融資額もみずほコーポ銀がもっとも多い。すでにソフトバンクには多額の有利子負債があり、常に信用リスクが付いて回っている。そんなソフトバンクに同行は、今回また1兆6000億円という巨額の融資を実施する決断を行った。

「みずほコーポ銀の前身は、日本興業銀行(興銀)。興銀は産業復興のための政策的な銀行ということで誕生している。今回も日本の企業を支援する意味で、前向きに取り組んだ」(関係者)という。

 しかし、一方では、「実態面では、国内の景気が低迷しているため、企業に対する融資がまったく伸びていない。このため、メガバンクといえども、融資面では非常に厳しい状態に置かれている。ソフトバンクの買収案件は“渡りに船”のようなもの」との声も聞かれる。

 営業第17部。みずほコーポ銀の中で、ソフトバンクを担当する部署だ。今回の買収劇を陰で支え、三井住友銀、三菱UFJ銀を呼び込み、“3メガ”揃い踏みの支援体制を作り上げたのは、この第17部なのだ。みずほコーポ銀は、富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の3行が合併して誕生したため、未だに内部で融和が図れず、営業部が旧銀行の担当企業を引きずったままのため、営業部が多数存在している。そんな中で今回、第17部は一躍注目を浴びたのだった。

 外資系銀行の場合、これだけ大きな案件をまとめると、成功報酬として巨額のインセンティブ・ボーナスが支払われる。では、第17部はどうなのだろうか?

 もちろんインセンティブ・ボーナスはあるが、邦銀の場合には外資系銀行のように巨額のものではない。その上、「冬(12月のボーナス)は9月までの融資実績に対して支払われる。ソフトバンクの案件は10月のため、ボーナスは来年の夏。半面、案件としての仕事は前期(9月まで)のものだったため、10月には新たなプロジェクト・案件を推進していかなければならない」(関係者)という厳しい現実がある。“げに悲しきはサラリーマンかな”である。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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最終更新:2012/11/16 14:00

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