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ラジオ批評「逆にラジオ」特別編

おぎやはぎ小木のAKB批判は、ラジオの優れた伝達能力を証明した!? ラジオ事件簿2012

■挑戦というよりは迷走? 『ANN』はどこへゆく――

 2位は、ニッポン放送の看板番組『オールナイトニッポン』。今年は45周年ということで、さまざまな企画が行われた。

 第1に、以前は2部と呼ばれていた平日深夜3:00~5:00に、4月から『オールナイトニッポン0(ZERO)』を配置。パーソナリティーは公募した中からオーディションで選考されたが、ロッチ、ハライチ、我が家あたりの若手芸人も最終候補に残っていたにもかかわらず、蓋を開けてみれば俳優、漫画家、ミュージシャン、芸人、素人という、トークの実力よりも職種上のバランスを優先したような並びに。実際、火曜の久保ミツロウ・能町みね子という「最大の発見」こそあったものの、ほかには木曜のHi-Hiが芸人らしい安定感を見せているくらいで、その他の曜日は固定ファン以外には聴くべきもののない寂しい内容。新人発掘というコンセプトは素晴らしいが、掘る場所を間違えては意味がない。

 第2に、その『ANN0』における芸人軽視の傾向をフォローするかのように開催された『ANNお笑いオールスターウィーク』の存在がある。夏の終わりの一週間にわたり『ANN』『ANN0』の枠をサンドウィッチマン、ハライチ、バカリズムら12組の芸人で埋め尽くすという企画だが、むしろこちらのほうに可能性を感じた人も多かったはずで、やはり今の『ANN』には芸人が足りないという事実を痛感させられた。

 そして第3に、22:00~0:00という早い時間帯に放送されている『オールナイトニッポンGOLD』の金曜を45周年特別企画枠とし、週替わりのパーソナリティーを採用するという試み。小島慶子、さだまさし、SCANDAL、濱田岳、大友康平、中山秀征……と、名前を挙げるだけで目まいのするような方向性のない起用法には、大物の名を借りたその場しのぎの企画という印象が強く、やはり挑戦というよりは迷走といったほうが正しいのかもしれない。

■小木はお笑い芸人の鑑!?

 そして第1位は、おぎやはぎの小木によるAKB48高橋みなみバッシング。問題の発端は、ロンドン五輪で体操の内村航平が金メダルを獲ったことに対し、高橋が放った「皆さんから『金を獲るんじゃないか』といわれる中で戦うのは、AKBの選抜総選挙以上のプレッシャーがあると思う」という発言だった。それを『メガネびいき』へのリスナー投稿で知った小木が、「当たり前だよ!」「一緒にすんなって」「プレッシャーないでしょあんなの」「大学のミスコンレベルでしょ」と糾弾。その話がネット上で広まり、AKBファンの漫画家・小林よしのりが自身のブログで、「今のわしにとってはAKB48の総選挙のほうがオリンピックより上」「いじめの構図」「ナショナリズム」と反論。しかし翌週の『メガネびいき』内で、小林が怒っているというニュースに対し、小木が「すいま千円!」と小林の代表作『おぼっちゃまくん』のセリフで謝罪するという、お笑い芸人の鑑ともいうべき完璧な切り返しで事態を収束させた。

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