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ヤクザにお願いして当選する政治家も!? 暴対法強化でも絶てない裏社会との関係

【サイゾーpremium】より

――政治家が反社会的勢力との交際を暴露されれば、一大スキャンダルとなり、閣僚が辞任に追いこまれたり、有力な議員が失脚する例は多い。一方で、これだけスキャンダルになるのだから、珍しいことなのか? と思われるが、どっこい彼らは日常的に”お付き合い”があるようだ。新政権に変わったことで、こうした不適切な関係に変化はあるのだろうか?

 民主党政権末期の2012年秋、立て続けに閣僚の暴力団との交際が取り沙汰された。

「週刊新潮」(新潮社)10月18日号では、田中慶秋元法務大臣が、指定暴力団稲川会系の組長が参加する宴席であいさつしていたという証言を写真付きで紹介。続いて、「週刊文春」(文藝春秋)10月25日号では、城島光力元財務相が09年の衆院選挙の際に、稲川会系暴力団のフロント企業から応援を受けていたと報じている。

 田中元法相の件に関しては、30年も前の話がなぜ今? とも思えるが、「田中氏に近い裏社会関係者が、なんらかの揺さぶりをかけるためにリークした。『こちらにはまだ手はあるぞ』という脅しでしょう」(某誌政治記者)という。

 結局、田中元法相は辞任したが、政治家と裏社会の交際に関する疑惑はこれに限ったことではない。

 例えば新政権の首相、安倍晋三氏に関しても、「週刊ポスト」(小学館)が10月26日号で、”山口組の金庫番”と呼ばれる人物との交際を報じている。

 暴対法や、暴力団排除条例などもあり、その交際が指摘されるだけでスキャンダルとなる今、政治家が裏社会とつながることには、デメリットのほうが大きいだろう。だが、利権と複雑な人間関係が絡み合うのが政治の世界。そこで政治家と裏社会は、世間からは隠れつつも、関係を持ち続けてきた。

■日本社会に根付く裏社会組織の歴史

 歴史を見れば両者のつながりは60年代頃まで、ヤクザの葬式に政治家が花を出すなど、ある程度は公然と行われていた。

 例えば、戦前の二大政党制の中では、「院外団」という裏社会とつながったフィクサー集団があり、野党議員の法案成立妨害を潰すなどしていた。もちろん戦後でも、安保などの左翼闘争の中では、右翼やそれに連なる裏社会組織が、運動を抑える役を担っていた。

 日本社会や経済には、歴史的にヤクザや右翼、一部の同和、在日系反社組織など裏社会が根付いている。大物フィクサー許永中を追いかけた『許永中 日本の闇を背負い続けた男』(講談社)の著者でジャーナリストの森功氏は語る。

「山口組がなぜ大きくなったかといえば、港湾荷役をさばいていた荒くれ者を使いこなしたからです。地方行政は、彼らの”力”で、港湾荷役事業を統率していた」

 現在でも裏社会は、公共事業の入札で行われるという談合の仕切り役を果たしているという。

 また「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」と呼ばれる三バンの影響もある。
「地方行政の議員などは、不動産所有者や地域企業の社長など、その土地の有力者の場合が多い。彼らが計画した土地開発が、住民の反対運動が盛んになって、開発が進まないこともある。そこで裏社会に頼り、スムーズに進めてきたんです。彼らを使い利益を共にしてきた政治家は、暴対法が厳しくなっても、そうしたつながりをなかなか絶てないでしょう」(森氏)

 また、政治家が裏社会と付き合う際に間に立つのが、児玉誉士夫や笹川良一、そして許永中など、フィクサーと呼ばれるつなぎ役。彼らは、政治家と裏社会との関係を駆使して暗躍してきた。また、こうしたパイプ役を政治家の秘書が担っている場合も多い。

「裏社会の人間は、自身の息がかかった企業や関係者を政治家の秘書として送ることも多い。政治家も、彼らの支援が欲しいので、なかなか断ることができないんです。亀井静香の秘書は、裏社会人脈と日常的に渡りあうために髪形をパンチパーマにしたり、彼らと飲み歩く姿を目撃したこともある。しかし、大物の政治家ほど、こうした人物が間に幾人も入っているので、裏社会と政治家のつながりが直接見えにくいことも多く、追及しづらい面もある」(前出記者)

■政権を離れた民主党のヤクザ交際疑惑を暴露!?

 また、選挙においてもさまざまな場面で政治家は、裏社会の”お世話”になることがある。

「選挙期間中に事務局運営のボランティアを出すこともありますが、やはり大きいのは”票”でしょう。極端な話、山口組の六代目司忍組長に頭を下げれば、構成員・準構成員だけで、それなりの票が集まるわけです。市議や県議レベルならその支援で当選できるでしょう。もちろん傘下組織をすべて動かすことはめったにないだろうけど、選挙の中で、どうしても票が足りないって時には、お願いすることもある」(同)

 同記者は、今回の衆院選挙でも「20軒以上の選挙事務所を回りましたが、すべてに裏社会の人物はいた。彼らは、選挙で恩を売るために入り込んでいるんです」と証言する。

 では、安倍政権になって、彼らはどのような見返りを受けるのだろうか? 今回取材した人々は口を揃えて「基本的には、裏社会は政治家個人とのつながりだから、政権が変わったからといって利権が増えるというわけではない」という。

 その中で森氏は「東日本大震災の復興事業は大きな利権となる可能性がある。95年の阪神淡路大震災の時にも、ヤクザを使い早急に復興を進め、結果、山口組がその利権を得た。自民党なら地方ヤクザの使い方もわかっているでしょう」と観測する。

 また、安倍首相に関しては、間に複数人を介して住吉会とのつながりが噂されている。その一方、安倍氏が総理を務め大敗した07年の参議院議員選挙の際に、山口組が小沢一郎氏の支持に回ったため、安倍氏との仲は良好ではない。これを見て「住吉会の勢いが増すのでは?」という推測もあるようだ。

 さらに、前出の政治記者は 「政権与党から離れたので、民主党議員の交際がさらに暴露される可能性もある。例えば、かねてから総会屋や地元裏社会との関係が指摘される仙谷由人民主党副代表ですが、支持を受けている全国建設労働組合総連合の関連で、裏社会との交際が明るみに出るかもしれません」とも話していた。

 政治と裏社会の切っても切れない関係は、自民党に与党が移ってもまだ変わることはなさそうだ。

 最後に森氏は、こう指摘する。

「裏社会は、違法行為を行っているからアウトロー。法律外の世界で動いており、法治国家としては認めてはいけない存在です。日本の成り立ちの中で、一定の役割を果たしてきたことは事実ですが、社会が成熟していく中で、排除されるべきもの。一方で、社会にゆがみがある状態では、裏社会に身を置く者はゼロにはならない。厳しく締め付けるのではなく、もっと彼らをどう扱っていくかの議論を進めていくべきでしょう」

 政治家にとって裏社会は”必要悪”なのかもしれないが、安倍政権には、しがらみを絶ち切り、社会のゆがみを正してほしいが……。

(構成/黒崎さとし)

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最終更新:2018/11/13 15:45

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