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「売り方を見直す時期?」B’z、BUMP OF CHICKEN……ベスト盤をめぐる人気バンドの苦悩

fywgefluij.jpg『BUMP OF CHICKEN I [1999-2004]』(トイズファクトリー)

 根強い人気を誇るBUMP OF CHICKENが7月3日、初のベストアルバムを2枚同時に発売した。インディーズ時代から2010年までの楽曲が収録されており、バンドの歴史を振り返るにはうってつけの一枚だが、発売には「大人の事情が絡んでいるのでは?」と音楽業界関係者は話す。

「BUMPは常に音楽シーンで存在感を示してきたバンドですが、メジャーデビュー以後13年間のうちに発売されたアルバムはわずか4枚と、非常に寡作なんです。前作のアルバムからも約3年が経過していますが、作詞作曲を務めるボーカル・藤原基央は気難しい性格のため、周囲は制作を催促することができなかったのでしょう。とはいえ、BUMPは出せば確実な売り上げの見込めるアーティスト。スタッフはなんとか説得して、ベスト盤の発売にこぎ着けたようです」

 「WHAT’s IN? WEB」でのインタビューを見ると、藤原はベストアルバム自体に否定的な姿勢は取っていない。ただ、自分たちで選曲することができずにスタッフ任せだったことや、仕上がったアルバムを聴かずに新曲を作っていたことを明かしており、どうも乗り気ではない様子がうかがえる。

「ベスト盤はしばしば、アーティスト本人の意思に反して発売されることがありますね。例えば、スピッツの『RECYCLE Greatest Hits of SPITZ』は、メンバーと事務所の許可を得ないまま発売されたため、200万枚以上売り上げたものの、メンバー公認のベスト発売後は廃盤になりました。また、宇多田ヒカルもかつて、“Utada”名義の楽曲の版権を持つユニバーサルが独断で『Utada the best』を発売した際に『ファンにお金を出させたくない』と述べて話題になった。契約やお金の問題は活動を続ける上で重要ですが、アーティストの意思を無視したベスト盤は、ファンにとっては複雑ですね」(前出の業界関係者)

 話題のベスト盤といえば、ビーイング系列の代表的バンド・B’zも先月2枚同時にリリースしたばかり。自身の首位獲得数は更新したが、2枚が1・2位に輝いていたのはたったの2週間。3週目には4・5位に転落してしまった。

「ビッグネームのベスト盤というと、昨年にMr.Childrenが同じく2枚組で発売しています。両者の初週売り上げを見ると、ミスチルが約70万枚、B’zは約40万枚と、かなり差がついた。映画のタイアップなどで今も新規の若いファンを獲得しているミスチルと比べ、B’zは古くからの熱心なファンが支えている。B’zはこれまで何度もベスト盤をリリースしているため、さすがに『また出すの?』と思われてしまったのかも。人気に陰りが出てきたというよりは、ファンの関心がCDよりライブに向いていることの表れかもしれません」(同)

 ただ、ミスチルを超えないとしても、不況が続く音楽業界において驚異的なセールスであることに違いはない。苦境が伝えられるビーインググループの“看板”としてまだまだ健在といえるB’zだが、古くからのファンを離さないよう、売り方を見直す時期にあるといえそうだ。
(文=岩倉とものり)

最終更新:2013/07/07 11:00
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