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週刊!タレント解体新書 第13回

森脇健児が見せつけた「芸能人」の意地と底力! TBS『オールスター感謝祭』(10月4日放送)を徹底検証!

 なぜ、感動してしまうのか。よく分からない。だが、スタジオのタレントの中には涙を流す者も多くいて、西川きよし師匠は号泣しながら「吉本に来い!」と、相変わらずの素っ頓狂なコメントを残す。涙と笑いとよく分からないカタルシスが、ごちゃまぜになった空間がそこにはあった。

 一つだけ言えるのは、森脇健児は嘘をつかなかった。自分自身に対して、あるいは、これまでの自分自身の人生に対して。「走った距離は嘘をつかない。流した汗は嘘をつかない」というのは森脇健児が度々口にする名言だが、その言葉を彼は実践していた。「芸人」や「タレント」としての正しさではなく、森脇健児は「人間」としての正しさを目指し、そして結果を残した。そのやり方は一般的に正解と言われるものではないかもしれないが、森脇健児は自らが作った道を完走したのだ。そのあり様こそが、職業を超えて感動を呼ぶ。「芸能人」という道を選んだ「人間」としての意地と底力を、この日、森脇健児は確かに見せつけた。

 人生とは、フリとオチである。あるいは、オチが決まれば、それまでのすべてはフリになる。森脇健児は、芸人らしからぬアスリートっぷりというキャラクターやそれで取った笑いをフリにして、感動という名のオチに変えた。今田耕司が、疲労困憊の森脇健児にマイクを向ける。ここで感動的な一言があれば、大団円だ。そして森脇健児は、叫んだ。

「走った距離は嘘つくない、流した汗は嘘くつ、つかない!」

 見事にかむ。しかも早口すぎて何を言っているのかが分からない。その瞬間、スタジオは爆笑に包まれた。感動の涙はその瞬間フリとなり、笑いというオチに変わった。それもまた、森脇健児という生き方なのである。

【検証結果】
 冒頭にも記した通り、森脇健児は現在、芸人らしからぬアスリートっぷりが笑いになることが多い。だが果たして、その見立ては正確なものなのだろうか?むしろ森脇健児とは、芸人であり、かつ、アスリートである。その両者は矛盾するものではない。言い換えれば、芸人という競技に挑戦し続けるアスリート、それが森脇健児だ。そして芸人という競技は、生涯競技である。森脇健児はこれからもずっと、森脇健児にしかできないフリとオチの中で生き続けるだろう。
(文=相沢直)

●あいざわ・すなお
1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。
Twitterアカウントは @aizawaaa

最終更新:2014/10/10 21:00
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