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週刊!タレント解体新書 第13回

森脇健児が見せつけた「芸能人」の意地と底力! TBS『オールスター感謝祭』(10月4日放送)を徹底検証!

moriwaki1011.jpg松竹芸能公式サイトより

 TBSの恒例特番、『オールスター感謝祭』。その中でも目玉のコーナーといえば、健脚のタレントたちがしのぎを削る「赤坂5丁目ミニマラソン」だ。しかし、今年はいつもと様子が違っていた。キーマンとなったのは、近年になって芸人らしからぬアスリートっぷりが笑いのネタになることの多い、森脇健児その人である。森脇健児は今年、5位以内に入らなかったら「赤坂5丁目ミニマラソン」を引退すると、勝手にアドバルーンをぶち上げたのだった。

 過去22回出場してきた森脇健児は、なぜ今になって引退を懸けることになったのか? その言い分はこうだ。ここ最近の「赤坂5丁目ミニマラソン」は、陸上競技のプロが上位を占めている。だが本来は、芸能人が頑張る姿を見せるというのがこのコーナーの意義であり、芸能人ランナーを鼓舞するために、自分を矢面に立たせてほしいというのである。

 実際、森脇健児の言い分は正しい。『オールスター感謝祭』に呼ばれるほどの有名な芸能人が必死で走る姿が視聴者にとっては面白いわけだが、ある時期から有名ランナーを海外から招へいし、競技化がエスカレート。呼ばれた有名ランナーもまたプロとしての誇りはあるから、絶対に負けようとはしない。番組側でもそれに対抗して、「あまり名前は知られてないけど、ものすごく足が速いタレント」を呼ぶなどしているのだが、これではそもそも本末転倒である。森脇健児はそのような状況に対して、正面から異議を唱えたのであった。

 とはいえ、現在の森脇健児に求められるキャラクターは、いじられ役としてのそれである。芸人としてのイロハが通じないため「逆に」面白い、という見せ方をされることが多い。実際に、マラソンのスタート直前には「47才、これは老化じゃない、進化ですよ!」「進化イコール、体からボディ、ボディから、今日はマシーンですよ! ボクの足はタイヤですよ!」と独特の言語感覚を披露し、スタジオでは今田耕司のツッコミによって笑いが起こる。このセリフは、実は例えば一流のアスリートが放てば「名言」なのだが、森脇健児が言うから「ツッコミしろのある天然セリフ」となる。それはそれでもちろん正しいのだが、重要なのはこの時点で森脇健児は「笑われる人」として共有されているという点だ。

 ここで森脇健児には、2つの選択肢が用意されている。まず1つは、実際に真剣に走って5位以内に入ること。もう1つは、5位以内に入れず、結局あかんやないかという形で笑いを取ることだ。この場合、安全策となるのは、実は後者である。前者の場合、5位以内という設定を決めたのは森脇健児本人だということもあり、実際に5位以内に入ったところでそのスタジオの空気が読めない。後者の場合は、司会の今田耕司に任せさえすれば確実に笑いは取れるし、引退宣言もうやむやになるだろう。翌年しれっと復活したって、それはそれで笑いになる。5位以内に入ることが目的とされながら、実際に5位以内に入ることのリスクは案外高いのだ。

 かくして、号砲が鳴る。森脇健児は走る。当初のスタジオの空気は、決して熱いものではなく、森脇健児に期待する雰囲気はほとんどない。だが、森脇健児は走る。真剣な表情で。心臓破りの坂を上るときも、自分の足下しか見ていない。スタジオの空気が、徐々に変化していく。森脇健児は走り続ける。普段は森脇健児の面白エピソードを紹介する役回りの安田大サーカス・団長安田が、後ろから声をかける。後日、ニッポン放送の『キキマス!』で明かされたところによると、前を走るランナーが森脇健児の邪魔にならないように「コースお願いします!」と叫んでいたのだという。スタジオの空気はすっかり変わり、森脇健児への声援が飛ぶ。そして森脇健児は最後まで全力で走り続け、ゴールテープを切る。結果は4位。その瞬間、スタジオはスタンディングオベーションを彼に送った。


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