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早くもアカデミー賞有力候補との呼び声! 鬼才デビッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』

DF-01828cc.jpg『ゴーン・ガール(c)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

 今週取り上げる最新映画は、早くもアカデミー賞有力候補の呼び声高いデビッド・フィンチャー監督による話題作と、ピーター・ジャクソン監督が手がける冒険ファンタジーシリーズの完結編。どちらも、映画館で鑑賞すれば一層楽しめること請け合いの傑作だ。


 『ゴーン・ガール』(公開中、R15+)は、『セブン』『ファイト・クラブ』の鬼才デビッド・フィンチャー監督が放つ衝撃のサスペンスドラマ。米ミズーリ州の田舎町に暮らすニック(ベン・アフレック)は結婚5周年の記念日に、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪したことを知り、警察に通報する。自宅の家具の破損や血痕から、警察は当初誘拐の可能性を考えるが、やがて周囲の証言や証拠からニックを疑い始める。マスコミの報道を通じて全米から疑惑の目を向けられたニックは、窮地を打開するため敏腕の弁護士を雇う。

 原作は同名の全米ベストセラー小説で、著者のギリアン・フリンが脚本も担当した。アフレックとパイクによる秘密と闇を抱えた夫婦役の好演、たたみかけるような予想外の展開と衝撃のシーン、そしてスタイリッシュでスリリングなフィンチャー監督の演出により、先に封切られた本国アメリカでは歴代フィンチャー作品の興収1位を記録。今年度のアカデミー賞の最有力候補とも目される。エイミー失踪の真相や、「完璧な計画」が思わぬ方向へ転がっていく過程を目撃し、最大限の衝撃を味わうためにも、ネタバレのレビューや口コミを避けて、早めに劇場で鑑賞することを強くオススメしたい。

 『ホビット 決戦のゆくえ』(12月13日公開、2D/3D上映)は、J・R・R・トールキンのファンタジー小説を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前日譚にあたる『ホビット』3部作の最終章。ホビット族のビルボ、王トーリンとドワーフ族の仲間たちは、邪龍スマウグからドワーフの故郷エレボール山と財宝を奪還することに成功。だが、財宝に執着するあまり仲間を疑い、協力したエルフや人間への見返りも拒否するトーリンに対し、いさめようとするビルボは危険な選択を迫られる。その頃、復活した冥王サウロンがオーク鬼の大群を放ち、中つ国に生きる各種族の戦士が集結したエレボール山で、運命の決戦が始まる。

 『ロード~』3部作に続き、本シリーズもピーター・ジャクソンが監督を担当。VFXを駆使したキャラクター造形と刺激的なアクションシーンを、ニュージーランドの雄大な風景に溶け込ませて壮大な世界観を見事に実写化した。映像面でも、通常の倍のコマ数にあたる毎秒48コマのハイ・フレーム・レート3D(HFR 3D)がさらに洗練され、被写体の滑らかな動きと明るさ、前景から後景までの自然な奥行き感が向上している。オーランド・ブルーム演じるエルフ族・レゴラスが、バラバラと崩れ落ちる石の上をぴょんぴょんと駆け上がるシーンなど、笑ってしまうほどカッコいいアクションも痛快だ。こちらもぜひ、劇場の大スクリーンで長い旅の締めくくりを体感していただきたい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ゴーン・ガール』作品情報
<http://eiga.com/movie/79771/>

『ホビット 決戦のゆくえ』作品情報
<http://eiga.com/movie/77478/>

最終更新:2014/12/12 23:00
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