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テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第141回

松本人志が作る『ドキュメンタル』という新しい“笑いの戦場”

 タイトルの『ドキュメンタル』とは「ドキュメンタリー」と「メンタル」の造語。つまり「メンタル」こそが、この新たな戦場で重要になるということが示唆されている。

「小学校からずっと笑いのことを考えてきて、その成れの果て」だと松本が言う『ドキュメンタル』のルールは、以下のようなものだ。

 密閉された空間に、10人の芸人たちが集まり、そこで笑わせ合う。笑わせる方法もタイミングも自由だ。トークでもボケでも、持ち込んだ小道具を使ってもいい。もちろん、相手の言動にツッコミを入れて笑わせてもいい。相手を笑わそうと思った言動が呼び水となって、その相手のリアクションで笑ってしまうなんてことも起こり得るだろう。

 これを松本は「無法地帯」と表現した。

「もしかしたら一番シンプルで、ホントに一番面白いやつを決めるには適しているんじゃないか」と。

 制限時間は6時間。その間、決められたエリアの中でなら、飲食や喫煙はもちろん、風呂までもOK。そして、最後まで笑わなかった芸人が優勝だ。賞金は1,000万円。しかし、この番組には参加費がかかる。100万円だ。つまり、10人から集められた参加費を優勝者が総取りできる。

 すでにテレビでブレークしている芸人はともかく、100万円は大金である。妻子がいる場合は、なおさらだ。芸人仲間や吉本興業に借金をしてなんとか工面する者から、「(薬の)人体実験をやって金を作った」という者まで、さまざま。もちろん、小杉のように断った者もいる。断るのもまた自由なのだ。

 そうして集まったのが、宮川大輔、ダイノジ・大地洋輔、とろサーモン・久保田和靖、FUJIWARA・藤本敏史、野性爆弾・くっきー、トレンディエンジェル・斎藤司、天竺鼠・川原克己、東京ダイナマイト・ハチミツ二郎、マテンロウ・アントニー、そしてジミー大西である。

 松本は、お笑い芸人の世界を「ジャングル」に喩え、「いろいろな猛獣がいる」と評したが、まさにキャリアも芸風もまったく違う、一癖も二癖もある10人だ。ジミーが登場した時の、ほかの9人のどよめきはすごかった(ちなみに、登場とともに松本がその人物に対して行う、「板尾創路の系譜<川原>」「笑いの能力が高い<宮川>」といった寸評も興味深い)

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