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DV、虐待、援助交際から垣間見える、沖縄の現実『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』

 優歌よりもさらに悪質な暴力にさらされているのが、翼(仮名)だ。彼女が幼いころに両親は離婚。母親に引き取られた翼は、スナックのママを務める母から、ネグレクト(育児放棄)されて育った。ご飯も作ってもらったことのない彼女にとって、「母親の味」の記憶はない。

 高校に進学しなかった彼女は、友達の誘いでキャバ嬢になる。16歳になった頃、7歳年上のボーイと付き合うようになり、2カ月で妊娠。不安はあったものの、彼女は結婚し、出産することを決意する。しかし、結婚すると、夫はその態度を一変させる。生活費を家に入れず、翼が不満を言えば、暴力を振るい、馬乗りで殴る蹴るの暴行を加えた。その暴力は、鼻が折れて、目が開かなくなるという壮絶なものだった。出産後、翼はすぐにキャバクラに戻ったものの、夫からの暴力で顔に傷ができると、仕事を休まなくてはならない。そんな翼を見て、男は「お前が悪い」と自分の行為を棚に上げて罵った。

 親からの虐待、夫からのDVのほか、レイプ、援助交際など、少女たちが直面する暴力の数々は、想像をはるかに超えるものばかりだ。彼女たちにインタビューをした経験を、上間は「予想していたよりもはるかにしんどい、幾重にもわたる困難の記録」だったと振り返っている。唯一の救いは、本書に登場する少女たちがみな、自分の子どもを愛していることだろう。せめて彼女たちの子どもは、そんな暴力とは無関係に育つことを願ってやまない。そのためには、多くの人々が、この暴力の実態に目を向けることが不可欠だ。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])

●うえま・ようこ
1972年、沖縄県生まれ。琉球大学教育学部研究科教授。専攻は教育学、生活指導の観点から主に非行少年少女の問題を研究。1990年代後半から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの調査・支援に携わる。共著に『若者と貧困』(明石書店)。

最終更新:2017/05/07 16:00
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