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魚は勝どき橋を渡って買ったほうが安い……豊洲移転で、築地のブランドと観光地価格も消滅か

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 都知事選を前に小池都知事によって表明された、築地市場の豊洲移転への決着案。豊洲移転後に築地にも市場機能を作り、希望する事業者は再整備した築地へ戻ってくることもできるという、なんだかよくわからない決着となった。今回の都議選における小池都知事率いる都民ファーストの会の圧勝により、この決着案が推進されることになりそうだ。

 これまで、世界でも例を見ない“都心に存在する市場#として評価されてきた築地市場。ここは、長らく観光地としても脚光を浴びてきた。豊洲移転問題が議論された背景には、都心に存在する食のワンダーランドが消滅し、観光地としての価値が低下することへの危惧があったことも確かだろう。

 一般市民にとっての築地市場の意識は、まず観光地である。初めて足を踏み入れた人は驚くのではあるまいか。何せ、すべては観光地価格。とりわけ、築地市場で広く商われている鮮魚は、決して安いわけではない。筆者も銀座の外れに事務所を構えてから、幾人もの人に言われた。「築地が近くでおいしいものもいっぱいですねえ~」と。

 しかし、実のところ築地に足を運んだのはわずかな回数にとどまる。それは、看板商品である魚が安くもなんともないからだ。

 以前、築地近くのラーメン屋ですっかり出来上がってた河岸で働くオジサンたちと話したことがあるが、しきりに繰り返されたのは「魚はスーパーで買ったほうがいい」ということ。

 商いされる鮮魚類のうち、高級な部類はそれなりのところが買っていく。その次の大衆的な値段かつ品質のよい品は、店舗で魚をさばくスーパーが大量に買っていくというのである。

 これを聞いて、なるほどと思った。

 購入した魚をさばいて販売しているスーパーとして、まず思いつくのが御徒町の老舗・吉池である。リニューアルしてからユニクロと鮮魚売り場が隣り合わせているという、なんだか面白い空間となったこの店、確かに魚は安い。ここの値段を見てしまうと、築地で売っているのは高級品ばかりに見えてくる。

 でも、筆者からすれば、わざわざ御徒町までいかなくても築地周辺でも魚は安い。これまで『これでいいのか東京都足立区』(マイクロマガジン社)をはじめ、「地域批評シリーズ」に携わっている筆者。普段から、23区あちこちのスーパーをチェックしているのだが、築地周辺で魚の品揃えが充実したスーパーとして、オススメは2軒。月島のフジマートと、豊海のマルエツ(勝どき六丁目店)である。いずれも、築地からは勝どき橋を渡って徒歩10分といったところだが、それだけの距離で格段に値段が下がるから不思議だ。

 特に後者のマルエツは、入居しているのがジムなどの設備が整ったセレブなタワマンの1階。こういうところを利用する客層は「家では、そんなものは食べませんのよ」と言うのか、魚のアラの類いは捨て値である。一度は、マグロの頭500円という、高いのか安いのかよくわからないものも目撃。これを料理するところまで持っていくのに相当の苦労が要りそうだが、買った人はいたのだろうか……。

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