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ベテラン海外ドラマライター・幕田千宏の「すごドラ!」

デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』が26年ぶりに復活! 見逃し厳禁のリバイバル作品3選

『24』と共に日本での海外ドラマブームをけん引した本作も、リバイバル・ブームに乗って復活。死んだはずのマイケルが実は人知れず生きていたというわかりやすいチートから始まり、中東を舞台に繰り広げられる脱獄劇は、もう単純にハラハラドキドキ、無駄に頭を悩ませることもない。いろいろツッコミどころもあるが、それがどうした! というすがすがしさすら感じさせる。あれこれと策を弄せず、『プリズン・ブレイク』を『プリズン・ブレイク』たらしめる陰謀絡んだ脱獄劇が楽しめればそれでいいのだ! というブレなさは、ある意味、正しいリバイバルの在り方だ。「マイケル生きてたとか、チートじゃん」「サラ、ただの医者だったのに、たくましくなりすぎ」「ティーバッグ、相変わらず変態……」などなど、いろいろと思いを馳せながら、素直にお祭り気分で楽しんでほしいドラマだ。

デヴィッド・リンチ『ツイン・ピークス』が26年ぶりに復活! 見逃し厳禁のリバイバル作品3選の画像3Netflixより

 わけのわからないミステリーやハラハラドキドキのサスペンスの後にぜひ見てほしいのが、『ギルモア・ガールズ:イヤー・イン・ライフ』(Netfixにて配信中)だ。オリジナルは7年続いた人気ファミリー・ドラマ。ローレライとローリーという友達母娘を中心に、彼女たちが住む田舎町スターズ・ホローの住民たちの姿を描いたほっこりハートフルな人間ドラマは、あくまでなんでもない日常を描いているだけに、疲れた時ほど染みる。リバイバル版では春・夏・秋・冬の四季ごとにまとめた4エピソードで、オリジナルから10年たった1年間をつづっていく。

口の減らないローレライのおしゃべりには少々イラつく時もあるが、基本的に悪人の出てこない世界の優しさに心癒やされること必至。市民ミュージカルで町おこし(ブロードウェイの実力派を配して、無駄に本格的に仕上げている)など、期待を裏切らない田舎町ドラマに必須のほっこりイベント要素もしっかりと入れ込み、故郷願望を満たしてくれる。オリジナル版には、いまや押しも押されもせぬ売れっ子となったメリッサ・マッカーシーや、『スーパーナチュラル』で10年以上主役を張っているジャレッド・パダレッキなど多くのスターが出演していたが、リバイバル版には彼女たちを含め、ほとんどのオリジナル・キャストが登場。『ツイン・ピークス』や『プリズン・ブレイク』にもいえることだが、やはりオリジナル・キャストがどれだけ出演するかというのは、リバイバルにおいて重要なポイントだ。そのドラマの世界をより深く味わうためにも、リバイバル作品を見る際にはオリジナル版もチェックしてほしい。

●まくた・ちひろ
映画・海外ドラマライター。『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial』『ゲーム・オブ・スローンズ パーフェクト・ガイド』(日経BP社)、『海外ドラマTVガイド WATCH』(東京ニュース通信社)、『映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド』(洋泉社)等に寄稿。Twitterアカウントは@charumin

最終更新:2017/07/08 16:00
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