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なんだこの番組!?『緊急生放送! 山田孝之の元気を送るテレビ』を成立させた、いとうせいこうの手腕

■結局、監督はあの2人

 そして最後、混沌としたスタジオの状態に被せて流れるスタッフロールの中には案の定「監督・松江哲明 山下敦弘」という2人の名前が。

 やはり『北区赤羽』『カンヌ映画祭』の流れを汲んだ番組だったことがわかる。

 しかし、前2作が山田の暴走に山下(スタッフ)が振り回されるという作りであるのに対し、今作では主にスピリチュアルな素材としての山田を、いとうせいこうが利用し、教祖として奉り、祭り上げていく様が軸となっており、VTRを受けるスタジオパートもあるためか、前2作とはテイストが若干異なる。素材としては山田が主役だが、番組を動かし転がしていたのはいとうせいこうだし、前2作で山田が持っていた熱のようなものは、どちらかというと、いとうに感じた。あえてタイトルをつけるならば『いとうせいこうの教祖誕生』といったところだろうか。

 番組を通してやはり目立ったのは、このふんわりとした企画を的確に進行しつつ、それっぽさを添えて番組を成り立たせるせいこうの手腕である。

 そしてもう一人、「チャクラを開き大地とつながり太陽を見据える山田のアプローチを『俳優』と呼ぶのであれば、ほとんどの人は『俳優』失格ではないのか? 山田以外に『俳優』はいないのではないか?」と深刻に自問する松岡のヒステリックなコメントぶりが印象に残った。まだまだ伸びしろのありそうな逸材ぶりだ。

 ちなみにこの番組はひかりTVで完全版が配信されるらしいので、気になる方はご自身で「山田力」を受信していただきたい。
(文=柿田太郎)

最終更新:2017/10/10 17:00
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