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でんぱ組.incの新体制&グループ兼任……アイドル界に地殻変動!? 2018年アイドル界を勝手に大予想

■グループ「兼任」制度のメリットとデメリット

 次に挙げたいのは、1人のアイドルが複数のグループに所属する「兼任」制度についてである。先に挙げた『ディアステージ勢』への統合に伴い、虹のコンキスタドールの根本凪とベボガ!(虹のコンキスタドール黄組)の鹿目凛が、でんぱ組.incのメンバーとして活動することとなった。しかし、二人とも移籍という形ではなく、元のグループと兼任するとのことである。

 おりしも、12月にデビューした、ラストアイドルファミリーのメンバーも、他ユニットとの兼任アイドルが多くいる(もともと兼任可というのがひとつのコンセプトだった)。兼任というシステム自体は、48グループなどの秋元勢でも多く見られたが、メリットもデメリットもあると思う。

 活動する時間的な制限があるのは当然だが、元のグループとの差別化や、他のメンバーとのバランスなど、うまくコントロールしなければ共倒れとなりかねない。一方で、元のユニットで培ったイメージをうまく持ち込み、相乗効果で盛り上がっていくケースや、両方の活動によって本人の資質が倍増するということもある。運営側からしても、それぞれのファンが両方のアイドルに来ることになれば、集客アップにもつながるので、悪い話ではないだろう。

 今回の兼任がうまくいくようであれば、他のアイドルグループに波及していくのは間違いない。1人のアイドルが複数のグループを兼任する、そんな時代が珍しくなくなるかもしれない。

■「地下」と「地上」のすみわけ

 最後に挙げておきたいのは、地上と地下の差別化だ。一般的に現代のアイドルは、メジャーシーン(キー局のテレビであったり、メジャーレーベルでのCD発売など)で活動する「地上」と、主にライブハウスやインディーズでのCD発売などで活動する「地下アイドル」に区分される。

 もちろん、明確な基準があるわけではなく、メジャーなレーベルからCDを出しながらも、地下的なライブ活動を行っているグループもあれば、比較的大きな会場でライブをしながらも、インディーズレーベルからCDを出しているグループもあり、その区分は曖昧模糊としているのが実情だ。今年はその線引きが明確化されるのではないかと思っている。

 その根拠の一つは、昨年12月24日、里咲りさが発表したひとつの「報告」にある。
里咲りさは、自身で作詞作曲もこなし、マネジメントもするというアーティストだ。その愛らしいルックスやユニークな企画、奔放な発言によって「地下アイドル」としても人気がある。そんな彼女は、昨年9月22日にZepp DiverCity TOKYOで開催されたワンマンライブで、ある宣言をした。それは、「オファーあるメジャーレーベル、芸能事務所などと契約する」というFA宣言、言ってみれば、“地下から地上への移籍宣言”だった。

 実際、いくつかのレーベルや事務所からオファーがあったという。彼女自身の優れた才能はファンならずとも知っていることなので、それは当然のことだろう。しかし、12月24日の報告で、彼女は「どことも契約もせず、これからもフリーで活動する」と発表したのだ。理由について、多くは語られていないが、彼女は彼女自身の希望と使命感を持って、あえて「地下」の道を選んだものと思われる。

 多くの人は「地下アイドル」が、「地上」より格下、もしくはそこを目指す過程であると考えるかもしれない。しかし、その現場を見ている者からすれば、それは必ずしも正しくない。もちろん、地上を夢見て、地下で活動している人もいるだろう。しかし、「地下」という場所に魅力を感じて活動しているアイドルと、そのファンはとても多いのだ。決して地上アイドルの代替の存在でもなく、それ自体が違った文化として存在している。同様の分析は、姫乃たまの著書『職業としての地下アイドル』(朝日新書)などでもされている。

 そういった、アイドル側、ファン側からの動きにより、地上の良さ、地下の良さ、それぞれがより明確になって、きちんとすみ分けがなされる。そんな動きが出てくるのではないかと考えられるのだ。

 以上、2018年のアイドル界の動向を、勝手に予想してみた。

 アイドルというのは、ファンの動きがあってこそ、ブームにもなり話題にもなる。その意味で、今これを読んでいる人も含めて、今年のアイドル界を作っていくことになるのだ。
みんなでアイドル界を盛り上げ、楽しい一年にしようではないか。
(文=プレヤード)

最終更新:2018/01/21 21:00
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