日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 南キャン山里が女子に物申すも、拭えぬ“既視感”

南キャン山里やハライチ岩井が女子の言動に物申すも、拭えない“既視感”その理由は「売れっ子」だから……?

 山里は止まらない。遠慮なく毒のある発言をして「思ったことをすぐ言っちゃう」と自認する女子も斬り始めた。

「自分のことを“サバサバ”ってポジティブに言ってるけど、シンプルに思いやりがないのよ。『これを言うと相手はこう思っちゃう』って。あと、この派生語にあるのが『ごめんね。私、毒舌だから』。いや、“毒舌”までエンターテイメント性が昇華されてねえぞ。君のは性格が悪いだけ」(山里)

 

■ハイリスクな割に、ネタにエッジが効いてない

 

 この番組は、いったい誰が得するのだろう? 性差をネタに男→女という矢印で攻撃が行われる場合、炎上に発展するケースが多い昨今。だからこそ、今回のスタンスは珍しいと言えなくもない。

 コンセプトは明快だ。進行を務める山本雪乃アナウンサーも、“生贄”として出演したモデルとグラビアアイドルも、男性陣の言い分に、なぜか反論しない。攻撃させるだけさせといて、苦笑いでその場をしのいでいる。

 奇しくも、攻撃の過程で山里は口にした。

「この番組がどういうジャンルかと言うと、道徳の番組です。Eテレでやってほしいくらい!」(山里)

 男が自分本位なことを言い、それを半笑いで学ぶ女子。……というポジショニングが、番組内では密かに設定されている。

 しかしだ。それにしては、男性陣の言い分が深くないのが気になる。“食べる前に撮る女子”も、“流行に乗る女子”も、“会話がキャッチボールにならない女子”も、“偽サバサバ女子”も、“自称毒舌女子”も、いつかどこかで言及されてきた気がする。こすられ済みの案件ばかりだ。番組タイトルの『ナナ目線』とは名ばかりで、全然ナナメじゃない。

 これは、山里が売れっ子であることと関係しているのかもしれない。テレビを観ていれば、彼の持ちネタを見聞きする機会はどうしても多くなる。即ち、今回の番組で“幹”となる山里のネタを、我々はすでに承知してしまっている。

 残念としか言いようがない。リスクを冒してまで番組化した企画なのに、ネタ自体の鮮度がなかった。手垢にまみれた指摘ばかりなので、女子に刺さっているのかも疑問だ。

 番組中、自分の観られ方を気にした山里に対し、岩井は口にした。

「どうせ、いいんすよ。これ観て『あいつら、わかってない』って女子会で話すんですから」

 確かに、刺さらなければその程度の反応で終わってしまうだろう。山里、岩井、川元という期待値十分な面子が揃ったのに。尖りに尖った切り口で、男女間にある“交わらない線路”をクッキリと浮き彫りにしてほしいのに。

 実験的に始まったこの番組は、計2回が予定されている。残りの1回は、3月12日深夜放送だ。
(文=寺西ジャジューカ)

最終更新:2018/03/08 21:00
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