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「ジュリアナ東京」も大阪で復活! トレンディドラマの再放送や主題歌ノンストップCDも話題に! 90年代バブルの流行を探る

■恋と、ドラマと、歌と。

 そんなタイミングで、今夏リリースされたCDアルバムが異例のヒット真っ只中との一報が、当事務所の企画制作部・増田俊樹から知らされた。

 それは、鈴木杏樹をジャケットに起用した『Love Story ~ドラマティック・ミックス~』というタイトルのノンストップ・ミックスCDで、テレビドラマの主題歌のみを収録したコンピレーションアルバムだった。

 いま、CDという言葉を口にすれば、あとに続くのは「売れない」というワードである。もはや、CDアルバムは音楽マニアのみが買う希少品で、気に入った楽曲があれば配信で購入したり、YouTubeなどの無料動画サイトで聴くもので、CDアルバムにカネを払うという概念自体が消滅しようとしている。そうした時代にあって、過去のドラマを中心に据えた主題歌集で、旧譜のみを収録したCDアルバムが妙な人気を集めていること自体、不思議な感じがした。

 稀有なケースだと伝える増田からの情報を探ってみたところ、ヴィレッジヴァンガードでは全国全店舗でのCD売上1位にランクイン。リリースから1カ月余りで販売枚数は既に5万枚を突破。これに驚いた発売元のユニバーサルミュージックが、急遽テレビCMのオンエアを決定。10月31日からは、若い世代に利用者の多い歌詞付き音楽ダウンロードアプリ「レコチョク」でキャンペーンが始まるなど、関係者も予想外の売れ行きに驚きを隠せないのだという。

 筆者も都内のCDショップへと早速足を運んでみた。数々の店舗を取材したところ、いずれも店頭やJ-POPコーナーの目立つスペースに、このコンピレーションアルバムが平積みされている。

「スズキ山盛りの平積み杏樹」現象は、いつの間にやら90年代にタイムスリップしてしまったかのような錯覚すら覚えたものだ。

 収録された32曲は、90年代から2000年代にかけて、誰もが「知ってる、懐かしい」と想い出すセレクト。『SPEED/STEADY』(テレビ朝日系ドラマ『イタズラなKiss』主題歌)・『米米CLUB/君がいるだけで』(フジテレビ系ドラマ『素顔のままで』主題歌) ・『REBECCA/フレンズ ~remixed edition~』(フジテレビ系ドラマ『リップスティック』主題歌)など。そして、90年代を代表するボーカリストである福山雅治から、DREAMS COME TRUE、今井美樹などと、豪華な面々の楽曲も集められている。

 だが、それらの曲は、ただ懐かしさを感じるリアルタイマーだけに支持されているのであろうか。アルバムの6曲目を飾るオリジナル・ラブの『接吻 -kiss-』は、93年に日本テレビ系列で放送されたドラマ『大人のキス』の主題歌だった。

 この曲のリリースと時を同じくして、「渋谷系」と呼ばれる渋谷区宇田川町界隈を発信地としたJ‐POPのムーヴメントが巻き起こり、筆者も上京と同時にフリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴ、そしてオリジナル・ラブなど、それら「渋谷系」の代表的なミュージシャンたちの存在を知ったのだった。

 その後、ドラマ主題歌『接吻 -kiss-』のヒットと「渋谷系」の一大ムーブメントに後押しされ、オリジナル・ラブは「渋谷系」の寵児となっていったのだった。

『接吻 -kiss-』はオリジナル・ラブの創設メンバー・田島貴男の作詞・作曲によるラブソングで、田島自らボーカリストとして独自の美学を表現するスタンダード・ナンバーなのだが、実のところ『接吻 -kiss-』が長きにわたってさまざまな歌手やアーティストに歌い継がれて来た事実はあまり知られていない。

 発表から10年後の2003年、中島美嘉が自身のアルバム『LOVE』にて『接吻 -kiss-』のカバー曲を収録したことは広く知られてはいるものの、その以前や以降も中森明菜、甲斐よしひろ、ハナレグミ、鈴木雅之、さかいゆうなど、ざっと調べた限りでも、CDがリリースされた1993年から2017年までの間、実に様々なアーティストの50タイトル余りのCDに『接吻 -kiss-』のカバー・バージョンが収録されてきたのである。

 この曲に関していえば、当時を知らない世代に向けて、一周回ってその魅力を知らしめている。

 さらに、この原稿の冒頭でも触れた『The Covers』や、フジテレビ系列で放送された『FNS歌謡祭』や『水曜歌謡祭』などでカバー曲を披露し続けた、歌い手としての田島貴男も忘れられない。

『プレイバックPart2』『夢先案内人』(山口百恵)、『勝手にしやがれ』(沢田研二)、『お嫁においで』(加山雄三)、『いとしのエリー』(サザンオールスターズ)、『春よ、来い』『時のないホテル』(松任谷由実)などのカバーではさまざまなアレンジを試しつつ、それらの楽曲を次なる世代に伝えようと切磋琢磨する田島の歌声に筆者は胸打たれてしまったのだ。

 過去の流行が廃れて消え去るなんてことは絶対にあり得ない。いつの時代も流行はまた新たなるスタイルへと変貌し、さらなる発展を遂げていくに決まっているからだ。
(取材・構成=増田俊樹/執筆=昼間たかし)

『Love Story ~ドラマティック・ミックス~』
発売元:ユニバーサル ミュージック合同会社
価格:¥2,138税込)
https://www.universal-music.co.jp/p/uicz-8199/

最終更新:2018/10/22 23:32
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