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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

「美女」と「PC」と「液体窒素」……のだめ作者が描く『87CLOCKERS』の超絶マニアックな世界

■実は一番クレイジーなのは、ヒロインのハナ

 ヒロインの女子大生・ハナはミスコン候補にも選ばれるほどの美女なのですが、オーバークロックに対して一番ストイックといえます。オーバークロックに打ち込むため、学業も就活もそっちのけで、パイナップル工場でのバイトの日々。そして、ミケと一緒にオーバークロックをやっているうちに、いつの間にか、そこいらのオーバークロッカーでは太刀打ちできないほどの知識と技術を持つようになってしまったのです。

 秋葉原で誰よりも高性能なPCパーツの目利きができ、安く購入できる人脈を作り上げています。そして、液体窒素冷却を奏にレクチャーするシーンでは、まさに鬼神のような厳しさ。

「もっと点滴コントロールで、温度管理が甘くなってる」「温度計から目を離さないで!」

 奏は10時間ぶっ通しで、液体窒素を点滴のように垂らし続け、温度計を見続けなければいけないという超スパルタ特訓を受けます。

 もちろん食事中も、温度計から目を離すことは許されません。そして奏は、液体窒素が充満した部屋で酸欠を起こして意識を失い、危うく死ぬところでした。

 オーバークロックに懸ける、このストイックさ……マンガ界で最も理解しがたいヒロインの一人かもしれません。

■いつの間にか世界レベルの実力を身につけてしまった主人公

 ミケ、ハナ、ジュリアたちと交流し、国内のオーバークロック大会に出たり、住み込みでの特訓をしているうちに、1年もたたずに世界にも通用するレベルのオーバークロッカーに成長していた奏。パソコン界のF1と呼ばれる、オーバークロックの世界大会に、日本代表として出場することになります。そう、日本ではあまり知られていませんが、オーバークロックには世界大会があるんです。

 奏の特技は、常人にはわからないような、極限レベルでの液体窒素の調整。液体窒素がマイナス120度からマイナス125度……となって凍り付くピキピキ音を、持ち前の耳の良さで聞き取り、限界ギリギリまでCPUを冷却するという超人的な技を披露し、ワールドレコードで優勝。そう、まったく無関係だと思われていた奏の音大生としての能力が、ここで生かされたのです。二ノ宮先生……なんという伏線の回収の仕方でしょうか!!

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