“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が『ボヘミアン・ラプソディ』を大絶賛!「過去最高!」と評したワケは……

 11月24日はフレディ・マーキュリーの命日。というわけで、今月の「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」は、伝説のバンド・クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』を題材にお届けしよう。「ロックは好きだし、母親のあだ名はクイーンだし、新宿二丁目のクインという和食屋にも行ったことがあるけど、バンドのクイーンはほとんど聴かずに育ってきた」という38歳の瓜田は、果たしてこの作品を見て何を感じるのか?

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、1991年に45歳の若さで逝去したフレディ・マーキュリーの伝記ドラマだ。英国では『ラ・ラ・ランド』の累計興行収入を上回り、日本でも今月9日の公開以降、2週連続で興収1位を獲得するなど世界中で大ヒットしている。

 取材当日も場内は満員。客層は中年以上の男女が中心だったが、20代風の若い観客も多く見受けられた。

 1979年に新宿で生まれ、青春時代はBOØWYやガンズ・アンド・ローゼズなどを聴いて育ち、自身もバンド活動をしていたことがある瓜田だが、クイーンにはほとんど関心がないようだった。

 先月、映画館のロビーで予告編をチラリと見た際には、「これ、つまんなそうだな。俺、クイーンってあまり好きじゃないんですよ」とつぶやいていた。今回この映画を見ることに決まったのも、実は二択の消去法だった。

 編集部から「今月の映画評は『ボヘミアン・ラプソディ』か、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』。このいずれかでお願いします」と言われ、瓜田が渋々前者を選んだに過ぎない。

「クイーンってあまり好きじゃない」という発言の真意は後ほど詳しく聞くとして、まずは奥様と共に映画をじっくり見てもらうことにした。

 以下は、鑑賞後の瓜田夫婦の感想である。

 * * *

――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) 過去最高! 日刊サイゾーの連載で見た映画15作品の中で、ぶっちぎりの1位! DVD出たら買うわ!

瓜田麗子(以下、麗子) うん、これは絶対買わなアカンやつや。

純士 まずフレディ・マーキュリーという人物のカリスマ性に圧倒されたし、それを演じたあの役者(ラミ・マレック)のエネルギーにも圧倒されっ放しで、あっという間の2時間でした。夫婦ともども、ほとんどクイーンに触れてこなかったこれまでの人生を恥じてるところです。

――この作品にも出てくる20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴエイド」のとき、瓜田さんは何歳でしたか?

純士 5~6歳でしょうか。だから、そんなイベントがあったこと自体をこの映画を見て初めて知った。ついでに言うと、フレディがエイズで死んだことも今日初めて知りました。

麗子 本物の「ライヴエイド」は、ワイドショーかなんかで映像を見た記憶があるような、ないような。勉強不足ですいません。

――クイーンというバンドのことは、どの程度ご存知だったのでしょう?

純士 海外の有名なモンスターバンドで、フレディ・マーキュリーっていう変なゲイがボーカルで……ぐらいの認識ですかね。正直なところ、あまりいい印象は抱いてなかったんですよ。というのも、俺が中2ぐらいのときに楽器とかを教えてくれた不良の先輩が、こう言ったんです。「クイーンはロックっぽい雰囲気だけど、所詮はエリートの集まりなんだぜ」と。以来、クイーンは格好悪いみたいな印象が刷り込まれちゃって、好んで聴こうとは思わなかったんですよ。

麗子 エンドロールに出たヒゲのおっちゃん(実物のフレディ・マーキュリー)の顔は知っとったし、ゲイやということもうっすら知っとったけど、その人がクイーンのフレディ・マーキュリーやいうことは今日初めて知りました。

――曲はどの程度知っていましたか?

純士 表題曲の「ボヘミアン・ラプソディ」は、街角で流れる有線とか、『glee』っていう海外ドラマとかで聴いたことがあります。あとは「ウィ・アー・ザ・チャンピオン」とか「ウィ・ウィル・ロック・ユー」あたりのメジャーな数曲を、CMや格闘技イベントで聴いた程度でしょうか。

麗子 ブリトニー・スピアーズとビヨンセが共演してるペプシのCMで流れてた「ズンズン、チャン、ズンズン、チャン」って曲(ウィ・ウィル・ロック・ユー)が好きなんやけど、それもクイーンの曲やったんや~、ということを今日知りました。

純士 という程度の認識のわれわれ夫婦でも、泣くほど感動したんだから、この映画とクイーンというバンドは本当にすごいですね。ミュージシャンの伝記映画ってことでいうと、こないだ『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』っていう作品のDVDを買って。男から女に性転換したカリスマロックシンガーの物語に夫婦して引き込まれたんだけど、そのとき薄々気付いたんですよ。「世の中にはいろんな映画があるけど、バンドの伝記映画みたいなのが実は一番面白いんじゃないか」と。それが今日、確信に変わりました。

――なぜでしょう?

純士 要するに王道なんですよ。バンド誕生の秘話があって、カリスマ性のあるメンバーがひとりいて。で、売れてくると変な奴が近づいてきたり、裏切り者が現れたり、契約の話でトラブったりしつつ、随所随所で誰もが知ってるヒット曲が流れたりして。やがてドラッグに溺れて、家庭がグチャグチャになって、メンバーに寿命が訪れて、死んだ後に殿堂入りする、みたいなパターンが多い。ミュージシャンのそういう話って、ドキュメントにせよ実話ベースのドラマにせよ、面白いんですよ。紆余曲折がハンパないし、そこに名曲の力も加わるから。

――そのほかミュージシャンの映画は、どんなのを見ましたか?

純士 ドキュメントも含まれるけど、『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』とか『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』とか『Ray』とか、結構見てるんです。どれも面白かったけど、『ボヘミアン・ラプソディ』がダントツでした。

――その理由は?

純士 たとえば『Ray』でレイ・チャールズを演じた役者もすごかったんだけど、それは器用なだけで、やっぱレイ・チャールズじゃないんですよ。でも今日の彼(ラミ・マレック)は、フレディそのものにしか見えなかったから、なんの違和感もなく物語に没入できたのがまず一つ。

――フレディもさることながら、ギターもドラムもベースも、よく似ていましたよね。

純士 あんなクリソツ、どうやって探してきたんだろう。特にフレディは顔だけじゃなく、演技力と熱気でそう見させてしまうっていうか。インド系の厳格な家が嫌で、名前を変えて彼女を家に呼んで……っていう序盤から、彼のコンプレックスと希望が入り混じったような表情に釘付けになっちゃって。あの出っ歯は入れ歯だと思うんだけど、俺自身も入れ歯を入れてるってこともあって、そこからスターになっていく展開にめちゃくちゃ感情移入できました。

麗子 他のメンバーの心情もよう伝わってくる作りやったな。

純士 あと、これはカリスマにつきものの話で、俺もカリスマだからわかるんだけど(笑)、どこか孤独で、それを放っておけない女性が現れて、っていうあたりも自分に置き換えて共感できました。マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』もよかったけど、ここまで鳥肌は立たなかったもんなぁ。たぶん、あの役者がフレディを演じたからよかったんだろうな。あの子、すごいわ。

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