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河野景子が「ストレスから錯乱状態、壁に頭をぶつける自傷行為を…」貴乃花との結婚生活振り返る

 昨年10月に元貴乃花親方(以下、貴乃花)と離婚した元フジテレビアナウンサーの河野景子さんが2月23日、ブログを更新し、昨年の千秋楽の打ち上げのようすと見られる写真をアップした。そこには貴乃花をはじめ、弟子たちの楽しげな姿が写り込んでおり、景子さんは<みんな分かっていた。言葉に出さなくても理解していた。そして最後を噛み締めていた。きっとこれからの糧になるでしょう。もうすぐ番付発表。3月場所も心から応援してます>とのコメントを添えている。相撲部屋の女将を降りてからも、弟子たちのことを気にかけているというメッセージだろう。

 貴乃花との離婚後、さまざまなメディアがその内情を探っていたが、景子さんが3月5日に上梓したエッセイ『こころの真実 23年のすべて』(世界文化社)には、23年間にわたる結婚生活や、離婚に向かった経緯が本人の言葉で詳しく語られている。ストレスから錯乱状態に陥り、壁に頭をぶつける自傷行為を繰り返していた時期もあったというからショッキングだ。

ストレスから自傷行為を繰り返し、アナウンサー職に未練はあったが……
 1988年、河野景子さんはアナウンサーとしてフジテレビに入社。特派員としてパリ支局に駐在するなどし、子どもの頃からの夢だったというアナウンサー職で活躍していた。1994年にはフジテレビを退社してフリーアナウンサーに転身したが、この前後から交際していた8歳年下の貴乃花と1995年に授かり婚をし、仕事を辞めて家庭に入る。このとき貴乃花はすでに横綱であり、景子さんは国民的スターとの結婚生活を送ることになる。

 長男の優一氏が誕生した3年後の1998年には、貴乃花に洗脳騒動が持ち上がり、穏やかな結婚生活はにわかに騒々しくなる。貴乃花は、この頃から兄・若乃花との確執が表面化。景子さんも、週刊誌の記者やカメラマンにつきまとわれ、自宅ポストには連日のように嫌がらせの手紙が送りつけられたという。ストレスから錯乱状態に陥った景子さんは、壁に頭をぶつける自傷行為を繰り返していたという。

 こうした生活を続けるなかで、景子さんはバリキャリのアナウンサー時代を懐かしく思うことも多かったようだ。当時住んでいたマンションのキッチンの窓からは、新宿副都心のビル群が望めたという。たった数年前まで自分が働いていたフジテレビ本社(当時は新宿・河田町にあった)に思いを馳せ、<ものすごく遠い世界のよう><なにかうらめしくビル群を見ている自分がいる>と思いながら泣き、<「もう限界だな、ほんとにどこかへ逃げたいな」>と思ったこともあったという。

 それでも景子さんが結婚生活を続けたのは、日々稽古に励み土俵に上る貴乃花が勝利を積み重ねていくことに喜びを見出し、それをサポートしていくことが自分の夢になっていたからだという。景子さんは、<私の小さい頃からの夢に向かって生きてきた経験やアナウンサーのときの経験もある。だからこそ、今度は、家族のための夢に、私は自分の人生を賭けられたのではないか>と振り返っている。

 

「このまま終わっちゃうの? 私の人生」
 2001年の夏場所で、貴乃花は右膝の怪我に倒れた。景子さんは献身的に支えたが、貴乃花からある日突然「明日で引退することにした」と告げられたという。景子さんは号泣しながら止めたが、「相撲を愛しているうちにやめさせてくれ」と訴える貴乃花の覚悟を悟って、了解したという。

 2003年1月、貴乃花は現役引退を発表。引退後は、家族5人でマクドナルドやディズニーランドに出かけ、束の間の幸せを味わっていたという。しかし穏やかな日々は長くは続かなかった。2004年、貴乃花は父から引き継いだ二子山部屋を改め貴乃花部屋を興し、景子さんは相撲部屋の女将となった。しかし、先代から部屋を支援してくれていたタニマチとの絶縁や、部屋とは別に自宅新居を構えたことなどがゴシップの対象となる。

 ストイックに相撲道を邁進する貴乃花を支えながら、3人の子どもを育て、さらに弟子たちの面倒まで見ることはどんなに大変だったろうか。それでも景子さんが<女将・花田景子>であり続けたのは、貴乃花のサポートから、貴乃花部屋の繁栄へ――景子さんの夢がつながれていたからだろう。

 しかしすべては、2017年に貴乃花部屋のホープである貴ノ岩が先輩力士の日馬富士に殴打されるという事件で一変する。この事件は大騒動となり、2018年9月、貴乃花は日本相撲協会に引退届を提出。協会と絶縁するかたちで騒動は収束した。

 これによって貴乃花部屋の弟子たちは千賀ノ浦部屋へ移籍。そしてこの直後、プッツリと糸が切れたかのように、貴乃花と景子さんは23年間にも及ぶ波乱万丈な結婚生活に終止符を打った。

 景子さんのエッセイ『こころの真実 23年のすべて』によれば、離婚を切り出したのは景子さんからだったという。景子さんは、<部屋がなくなったことで、「それぞれが一人ひとりで生きていこう」と、ごく自然な流れで決まった>と振り返りつつも、<引退届けを出さずに済む状況だとしても私は分かれていたかもしれない、と思っています。なぜなら、「このまま終わっちゃうの? 私の人生」という思いがあったからです>という率直な思いも語っている。

 離婚の6年前、景子さんは円形脱毛症と診断され、ウィッグを着けながらホルモン治療を行っていたという。医師から「ストレスにより体に悲鳴が出ている」と説明を受けた景子さんは、<「もう少し心の声に耳を傾けて人生を進んではいいのでは」と思うようになった>という。

 

 こうした状況を赤裸々に語りつつも、景子さんが貴乃花を悪く言うことはない。むしろ、今でも貴乃花を尊敬し、その側にいたことを誇りに思っていることが伝わってくる。<共に過ごした二十三年という月日に対しての感謝と敬意というものがあり、憎しみ合っているわけではないから、こんなに円満な離婚ってあるだろうかと私は思っています>とあるように、少なくとも景子さんにとっては、離婚に関するわだかまりは残していないように見えるのだ。

 景子さんは貴乃花への恨みつらみを決して見せはしないが、しかし23年間の結婚生活であらゆるものを“犠牲”にしてきた、という心の悲鳴は聞こえる。自らの夢を貴乃花や貴乃花部屋に委ね、<自分の人生を賭け>たからこそ、この結末は遣る瀬無い。

 とはいえ離婚はリスタートだ。景子さんは2016年に株式会社「le coeur」を設立し、アナウンサー時代の経験を活かして「河野景子ことばのアカデミー」を主催しており、これからもライフワークとして続けていくという。離婚後の景子さんは積極的に芸能活動をしており、バラエティ番組にも多数出演。タレント復帰に意欲を燃やしているようだ。2月には、<また一つ、新しいことに挑戦です>コメントし、Instagramのアカウントも開設している。

 他方で、貴乃花も2月19日、芸能事務所「Megu Entertainment(メグエンターテインメント)」とマネジメント業務提携を結んだことが明らかとなっている。結婚生活に区切りをつけ、互いに新たな道へ進もうとしている元夫婦の活躍を応援したい。

最終更新:2019/03/06 07:15
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