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テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

カジサック、フワちゃん……YouTube芸人の生きざま

文=飲用てれび

キングコング・梶原「あまりにもスベりすぎて思い出に残っちゃって」

カジサック&ヨメサック インスタグラムより

 テレビで活躍する芸人が、YouTubeで活動を始めるケースは数多い。舞台のネタ動画を淡々と投稿する者、ゲーム実況で人気を集める者、キャンプや釣りなどの趣味を披露する者、企画性の高い動画を投稿する者。芸人によりYouTubeの使い方はさまざまだが、いずれにせよ、片手間に関わるものではなくなっているようだ。

 ただし、テレビで名前の知れた芸人がYouTubeで成功した例は、あまり多くない。ヒロシやゴー☆ジャスなど、いわゆる「一発屋」と呼ばれる芸人が注目を集めることが多いようにも思う。とはいうものの、今年5月にはスギちゃんが約1年でチャンネルでの動画投稿を終えてしまった。エレベーターの中や美容室などさまざまな場所で「フェニーックス!」と叫んで腕を広げるという動画をいくつも投稿していた波田陽区は、その意味不明さで一時期話題となったが、最近では再生数が伸び悩んでいるようだ。

 そんな中、芸人ユーチューバーとして最も成功しているケースが、カジサックことキングコング・梶原雄太 であることは間違いないだろう。そんな梶原が、2日の『しくじり先生』(テレビ朝日系)に出演。仕事に追われ、キャパオーバーで失踪しないための対処法を授業していた。

 NSC在籍中にNHK上方漫才コンテストで最優秀賞を受賞、デビューして約2年で『はねるのトびら』(フジテレビ系)のレギュラー獲得など、輝かしい実績を残してきたキングコング。しかし、必ずしも実力が伴わず、人気先行でテレビ出演が増えたことで、数々の番組で失態を繰り返してしまう。テレビやラジオ、舞台などの仕事が連日連夜続く過密なスケジュールと、周囲からの期待に応えなければというプレッシャー。その結果、梶原は一時期失踪してしまった。概要については比較的知られているエピソードだと思うが、先週の『しくじり先生』では、その顛末について梶原本人が詳細に語っていた。

 梶原いわく、仕事が多忙を極める中、大阪から東京に向かう新幹線の車内で体が震えだし、出番直前でトイレに隠れるなど現実逃避が始まり、徐々に感情もなくなっていった。しかし、そんな自身の状況を誰に相談することもなく、しゃかりきに 頑張る自分を演じ続けていた。そんなある日、とうとう頭が「パーン」となり、失踪。「パーン」となってからしばらくの記憶はないという。

 特に深夜時代の『はねトび』は、スケジュールが相当厳しかったらしい。金曜の昼 12時に集合し、土曜の朝6時までコントの打ち合わせとリハーサル。その後、一睡もせずにラジオ体操を挟んで収録が始まり、土曜の深夜24時に終了。そこから日曜の朝5時まで反省会もあった。さらに収録中、梶原はずっとスベっていたのだという。

 そんな梶原が「余談ですが」と前置きして語り始めたのが、カジサックという名前の由来である。かつて『はねトび』で梶原がタイ人に扮するコントがあった。そのキャラクター名が「カジサック」だった。

「あまりにもスベりすぎて思い出に残っちゃって。そっから、ゲームとかあるじゃないですか。『ドラゴンクエスト』とか『ファイナルファンタジー』とか。全部カジサックって名前でやってたんですよ。で、YouTubeやることになって、せっかくだったらその名前つけようって」

 芸人にとってYouTubeは敵。明石家さんまはかつてそう語ったが、その現場には赤ジャージを着て頭にタオルを巻いた梶原もいた。若い人たちに話を聞くと、みんなYouTubeでテレビ番組を見ていたりする。なんとか1人でもテレビをつけさせるために、自分たちテレビで生きてきた人間は対抗しなければいけない。そう語るさんまに、梶原は反論した。

「だからなんですよ。だからYouTubeで活躍してスターになって、YouTubeでテレビ見たくなった小中高生たちを、もう1回テレビに戻したいっていう思いがあるんですよ」(『さんまのお笑い向上委員会』2018年11月17日、フジテレビ系)

 かつて自分を追い込んだ場。逃げ出した場。そんな苦い記憶が刻まれたテレビを象徴するような名前を梶原は自ら名乗り、YouTubeで返り咲く。まるで、テレビに翻弄されてきた自分を取り戻しているかのようだ。そしてその歩みは、テレビに敵対するのではなく、視聴者をテレビに取り戻そうとする挑戦とも重なっている。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

最終更新:2019/09/10 14:00
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