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テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

「形変えてしまうぞ、この野郎!」社会の不穏な空気を吹き飛ばす、長州力のパワーワード

『相席食堂』(朝日放送)

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(4月12~18日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

黒柳徹子「私も60何年か芸能界におりますけど、家からテレビに出たのは初めてでございます」

 テレビで無観客の番組が放送され始めたのは、2月の最終週だった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で、政府からイベントの開催自粛が強く求められてからだった。

 ただ、この時はまだ、歌番組や情報番組といった生放送の番組だけだった。収録された番組が無観客になり、それが放送されるまでには、当然だが少しタイムラグがあった。

 収録番組から観客が消え始めたのは、3月中旬になってからだった。今では、観客が入った番組を見ることはほぼない。先週でいえば、12日の『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送)が、とうとう無観客となった。司会の桂文枝は語った。

「初めてですよ。50年の歴史の中で、お客さんがいない中でやるっていうのは」

 3月も最終週になると、出演者の間に距離が取られ始めた。ソーシャルディスタンスだ。緊急事態宣言が7都府県に発令された前後からは、タレントがテレビ局の別室や自宅から中継で出演する”リモート出演”も見られるようになった。これもやはり、生放送の番組からだった。

 そして先週は、収録番組でもいよいよソーシャルディスタンスやリモート出演などの対応が見られ始めた。たとえば、18日の『世界ふしぎ発見!』(TBS系)では黒柳徹子が自宅から出演。着物ではなく洋服を着て、リアル徹子の部屋からの出演となった。黒柳は語る。

「私も60何年か芸能界におりますけど、家からテレビに出たのは初めてでございます」

 また、13日の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)。2時間のスペシャル版として放送されたこの日、マツコ・デラックスと村上信五(関ジャニ∞)の姿はセットが組まれたスタジオにはなく、別室から声と静止画のみでの出演となった。2人の間には大きな距離がとられている。マツコと村上は語る。

マツコ「なんか、不要不急って言われるたびに…」

村上「グサッとけぇへん?」

マツコ「そうなのよ。私のことだ、っていう」

 今でもまだ、「この番組は○月○日に収録されたものです」といったテロップ付きで、大勢の出演者がひな壇に座った番組が放送されることがある。そういう番組を見ていると、すでに懐かしく思えてくる。と同時に、出演者が密集・密接している画面を見ると、ドキッとしたり、胸がザワついたりもする。昔の映画を見ていて、差別的な表現が当然のように出てきたときの感覚に近い。

 ほんの数週間で感覚が変わってしまったようだ。その急な変化に、自分自身が困惑している。身体の反応の変化に、認識が追いついていない感じがある。日々刻々と感染が拡大しているのに、それに対応するまで時間がかかる――そんな社会のズレが、自分の上に重なっている感じもある。

 生放送と収録番組の間にまだコロナ対応のタイムラグが残る4月中旬現在、自分の中にもまだ、変わってしまった部分となかなか変わらない部分のタイムラグがある。そのズレに、少し戸惑っている。

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