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宮迫博之にTKO木下…スキャンダル芸能人のYouTuber化は現代社会のセーフティネットだ! 社会福祉士に聞いてみた

文=日刊サイゾー編集部(@cyzo

宮迫博之にTKO木下…スキャンダル芸能人のYouTuber化は現代社会のセーフティネットだ! 社会福祉士に聞いてみたの画像1
宮迫博之と木下隆行(画像はいずれも公式Twitterより)

 ここ最近、闇営業で吉本興行から契約を解除された雨上がり決死隊の宮迫博之や、後輩芸人へのパワハラが問題化して松竹芸能を退社したTKOの木下隆行のように、スキャンダルによってテレビ業界から干されてしまい、活躍の場をYouTubeに移す芸能人が増えている。しかし、そんなYouTuber芸人たちに対するネットユーザーからの反応は賛否両論で、宮迫や木下の動画は視聴者からのバッシングにも似た低評価コメントで大荒れだ。

 とはいえ、ある意味で水商売のようなライフスタイルのタレントにとって、テレビを始めとするメディアへの露出減は、ともすれば生活苦にも直結しかねない。なかには、スキャンダルによって各スポンサーへの莫大な違約金を抱えている場合もある。もちろん、YouTuberに進出する事情はさまざまあるだろうが、それまでの収入源を失った芸能人にとっては、YouTuberとしての広告収入は無視できるものではないだろう。

 そんな芸能人のYouTuber進出の背景について、社会福祉士(ソーシャルワーカー)でNPO法人ほっとプラス代表の藤田孝典氏は、社会福祉をめぐるものに近い構造が潜んでいると指摘する。

「これまでは、売れっ子の芸人さんには自分たちをロールモデルにしていたYouTuberに対して、蔑視や軽視という意識が少なからずあったのではないでしょうか。『YouTubeなんかに行ったら負け組だ』と。
 しかし、こうした意識構造に潜む問題は、生活保護のシーンでも似た状況が起こっているのです。つまり『生活保護は怠け者が受けるもの』と思っていた人が、倒産や失業を経験し、いざ自分がその立場になったときにどう思うか、という問題です。これは、誰にとっても他人ごとではない問題でしょう」(藤田氏)

 ただし、芸能人のように一芸によって身を立てる人にとって「職を失う」ことは、単なる稼ぎ口以上の問題があるという。

「私たち社会福祉士が相談を受けるのはアーティストの方などが多いですが、彼らが挫折や加齢による引退を決め、今まで信じて進んできた道以外に進まねばならないときのストレスは相当なもので、過度の服薬やアルコール依存になってしまう方も多いです。彼らにとって仕事は“人生における夢”であり、それを失うというのは、下手をすると命を失う事態にもつながりかねません。ですから、『全く別の職種でがんばってね』と簡単に言える問題ではないのです」(藤田氏)

 芸能人やアーティストは「売れれば左団扇」というイメージが強いためか、夢半ばで挫折し、困窮した場合にも「自己責任」という言葉がしばしばつきまとう。しかし、その責任の全てを個人のものにすることは正しいことなのだろうか。先ほどの生活保護の例のように、過度な「自己責任論」は、それを唱える人の身にも降りかかってくる可能性もあるのだ。

 では、そんな人たちに、失業後の「受け皿」はあるのだろうか。

「欧米などは生活保護に対しての意識が強い印象です。たとえば『ハリー・ポッター』シリーズの生みの親のJ.K.ローリング氏は、一作目の執筆時は生活保護(英国の所得援助)の受給者で、離婚後に一人で子どもを育てながらあの大作を書き上げたわけです。
 では、日本における文化活動への保障体制はどうかというと、お世辞にも多いとは言えず、まだ制度は不十分です。だからこそ、芸能人にとってのYouTubeは、結果的に重要なインフラになっているのだと思います」(藤田氏)

 社会制度の充実が望まれるなか、今やYouTubeは、挫折した芸能人にとってのセーフティネットとしても機能しているということか。

芸能人のYouTuber化=“窓口の多元化”を受け入れていく姿勢を!

 では、芸能人のYouTube参入を、視聴者はどのように捉えればいいのだろうか。

「結論を言えば、受け入れていくべきでしょう。福祉の世界で“強い人”といわれるのは、“生き方を多元化している人”です。たとえば、収入源をいくつか確保しておくこともそうですし、困りごとを相談できる相手が複数人いることも当てはまります。とにかく窓口を多元化していくことが大切になります。誰であってもマルチに活動できる場が用意され、それが受け入れられていく。これからは、そんな在り方が大切になってくると思います」(藤田氏)

 華やかさの裏にある危うさ。もちろん、イチ視聴者として芸能人のYouTube動画を観る観ないはまったくの自由だが、スキャンダル芸能人のYouTuber化という現象そのものは、“窓口の多元化”として受け入れていくべきなのかもしれない。

藤田 孝典(ふじた・たかのり)

社会福祉士/ソーシャルワーカー。首都圏で生活困窮者支援を行うかたわら、NPO法人ほっとプラスの代表、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表、 厚生労働省社会保障審議会特別部会委員(2012年)などを務める。著書に『中高年ひきこもり』(扶桑社)、『貧困クライシス』(毎日新聞出版 )、『続・下流老人』『下流老人 』(朝日新聞出版)、『貧困世代』(講談社)などがある。
Twitter:@fujitatakanori

(文=TND幽介/A4studio)

最終更新:2020/04/25 02:42

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