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『チコちゃんに叱られる!』レビュー

『チコちゃんに叱られる!』上目遣いの岡村隆史に、「守ってあげたい」の感情は湧き上がるか?

3年前の『ためしてガッテン』で…NHKの既視感ある解説

3年前の『ためしてガッテン』で…NHKの既視感ある解説

 続いてのチコちゃんの質問は「洗濯物を部屋干しすると生乾きしてイヤ~なニオイがするが、あれ何?」で、回答者に指名されたのは郁恵だった。「バイ菌が活動してて洗い流されていない」と回答する郁恵。チコちゃんのリアクションから察するに、どうやらこれは惜しいところまでいっているようだ。

岡村 「菌の死がいじゃないですか?」

チコちゃん 「う~ん……。大ヒントです。菌のホニャララのニオイ!」

 いいところまで来ているだけに、何とか当ててほしそうなチコちゃん。彼女のトスを受けてISSAが答えた答えは、見事正解だった。

「ISSA! つまんねーヤツだな~」(チコちゃん)

 ここまでヒントを出しておいて「つまんねーヤツだな~」と言われても……。この日のチコちゃんはツンデレである。

 チコちゃんが発表した答えは「ついこの間判明! 菌のフンのニオイ」だった。ついこの間までわからなかったのも凄いが、生乾きのニオイ=フンのニオイという事実も衝撃である。カビとか細菌が原因だと思っていたのに、フンだったとは……。

 詳しく教えてくれるのは、長きにわたって謎とされてきた生乾きのニオイの原因を9年前、大手化学メーカーと共に突き止めた愛知学院大学薬学部教授の河村好章先生だ。 

「生乾きのニオイの原因を作るのは、モラクセラ菌っていう細菌なんです」(河村先生)

 モラクセラ菌って、いかにも臭そうな名前だな……。これは、人の口や鼻の粘膜などにも存在している細菌で、キッチンや風呂場などの水回りをはじめ生活環境のありとあらゆる場所に生息しているそう。しかし、実は菌そのものが臭っているわけではない。

 洗濯をしても、やはり衣類には若干なりとも皮脂汚れやタンパク質が残ってしまう。それらを餌にモラクセラ菌は増殖し、活発になって「4メチル3ヘキセン酸」という臭いフンのような分泌物を出す。さらに、モラクセラ菌の動きを活発にさせるのが部屋干しなどの環境で溜まる湿気と、20~25度という室温だ。衣類に残った皮脂などの栄養分、湿気による水分、快適な温度、この3つの条件が揃うとモラクセラ菌は次々に増殖して活発になり、フンのような分泌物を体から出すのだ。この分泌物こそ、生乾きのニオイの原因である。

 さらに、モラクセラ菌には厄介な特徴がある。実は、洗うだけではモラクセラ菌は死なないのだ。洗濯で落としきれなかったモラクセラ菌は着るたびに衣類に蓄積していき、繊維にこびりついて塊を作る。洗ってもまたニオイがするのは、塊となった菌が再び増殖と分泌を繰り返しているからだ。

 生乾きのニオイをなくすには、モラクセラ菌が餌を食べる時間をできるだけ少なくすればいい。衣類を溜め込まず、こまめに洗濯する。そして、風通しを良くし、陽に当てて干すこと。こうすれば増殖のチャンスを防げるのだ。

 でも、梅雨の季節はこまめな洗濯も外干しもできない。そんなときのためのとっておきの撃退法を河村教授が教えてくれた。1つ目のニオイ撃退法は、お湯につけること。モラクセラ菌は高温の熱に弱く、60度くらいまで加熱すると死滅させることができる。洗濯をする前に60度以上の温度のお湯をはり、その中に10~20分程度付け置きするだけでモラクセラ菌は死滅する。(※熱に弱い生地は傷むことがあるのでご注意ください)

 でも、いちいちお湯につけるのが面倒くさいという人もいるはず。そんなときは、60度以上で死滅するという原理を生かし、家庭用のアイロンを使えばいい。そうすれば、生乾きのニオイは消せるはずだ。アイロンを中温以上(150度程度)に設定し、脱水後 すぐのTシャツを7~8割程度乾くまでアイロンがけする。濡れたままアイロンをかけることで、モラクセラ菌が増殖する前に死滅させることができるのだ。

 これも面倒くさいという人にオススメなのは、乾燥機。ただ、家庭用の乾燥機だと、衣類が重なっていたりすると中の方まで温度が高まらず、菌を殺すところまでいかない場合が多い。だから、コインランドリーに行けば間違いない。コインランドリーの乾燥機はガスで熱風を発生させるため、80度ほどまで設定できるケースがほとんど。だから衣類の奥まで60度以上になり、モラクセラ菌を死滅させることができるのだ。いや、でも、お湯やアイロンが面倒だと言っている人からすれば、コインランドリーへ行くのが一番面倒なのでは……? 

 あと、40~50度のお湯を溜めて酸素系漂白剤に浸け置きしてから通常通りの洗濯をするのも良いらしい。(※酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜるのは危険です)

「モラクセラ菌のフンのニオイ」という今回の正解は、ついこの間判明した事実だそうだが、ニオイ対策法については既視感がある。3年前(2017年6月14日放送)の『ためしてガッテン』で「梅雨を快適に! いや~な部屋干し臭 一発解消SP」という回があり、NHKは全く同じ解説(アイロンで加熱、コインランドリーで乾燥、酸素系漂白剤の有効活用等)をしてくれているのだ。

 ただ、この数年の間に正解がわかったことはとてつもない進歩。焼き直しと言うより、解説がブラッシュアップされたと表現したほうが適切だろう。

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